• 「地域連携は地方紙の使命」(2015年12月)
      株式会社茨城新聞社
      代表取締役社長 小田部 卓

      茨城新聞社は1891年(明治24年)7月5日に創刊しました。創刊当時から編集方針として「不偏不党、不羈(ふき)独立」をうたい、「地域社会の木鐸(ぼくたく)として読者の負託にこたえる」ことを社の使命としてきました。関東大震災や第2次世界大戦末期の水戸の大空襲の中でも新聞発行を続け、地域が求める情報を読者に届けてきました。2011年3月11日の東日本大震災ではコンピューター、輪転機などが使用不可能になり新聞編集や印刷が極めて困難な状況に直面しましたが、栃木県の下野新聞社や読売新聞東京本社の理解と協力を得て新聞を制作し、一日も休まず新聞を読者に届けることができました。どんなに絶望的な状況に直面しても新聞をつくって届ける、という精神は今も受け継がれています。
      創刊以来、地域貢献、地域連携は社の根幹をなす事業で、特に文化芸術分野では横山大観ら日本美術院のメンバーを審査員に迎えて始めた茨城美術展覧会が、今の茨城県芸術祭に発展し、板谷波山が提唱して発足した茨城工芸会も事務局は当初、茨城新聞社に置かれています。そのほか1998年まで34年間にわたって毎年、文化・芸術、医療、福祉、スポーツなど多方面にわたって地域に貢献した県内の団体・個人に茨城賞を授与し、事績を顕彰してきました。
      茨城新聞社は創刊120周年の年に「地域応援宣言」をしました。「新聞社のあらゆる業務を地域の応援団として機能させていこう」という趣旨で、本社と18支社支局が読者とともに地域の課題に向き合い、解決に向けてともに行動していこうというものです。エリアを担当する支社支局が地域の課題と向かい合い、情報を収集・発信することによって地域コミュニティーを活性化させることは地元新聞社の大きな使命です。
      2009年からは、地域の人たちに地元の課題や茨城新聞に対する要望などを話してもらう地元懇談会を開いてきました。本社の担当役員も同席し、地域の声を紙面づくりや経営に反映させていく狙いがあります。今後も県内各地で開催していきます。ほかにも小中学校に出向いて新聞の作り方や読み方を教える「出前授業」を実施。改装オープンした茨城大学図書館に茨城新聞ほか東北・関東の地方紙7紙と沖縄の2紙が閲覧できる「新聞マルシェ」を開設しました。「新聞マルシェ」は茨城新聞社と茨城大学が、地方紙9紙の協力を得て主管する連携事業で、一般のかたも入館できますのでぜひ一度、足をお運びください。2015年2月には水戸市南町2丁目の水戸証券ビル1Fに「みと・まち・情報館」をオープンし、中心街の人たちとの交流の場をつくりました。今後も各分野で地域との連携を強化していきます。

2017 年
 12 月 16 日 (土)

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