2019年5月20日(月)

【いばらき春秋】

黒い法服を着た裁判官と私服の裁判員が法壇に並んで審理することになり法廷の風景は大きく変わった。市民が刑事裁判に参加する裁判員制度の開始から、あすで10年となる

▼水戸地裁で「県内第1号」の裁判員裁判が行われたのは2009年11月。本紙社会面は「緊張した面持ちの男女3人ずつの裁判員が、裁判官3人とともに法壇に並ぶ法廷には、新鮮さとともに張り詰めた空気が漂う」(09年11月26日付)と伝えた

▼法律には素人の市民が、裁判員として裁判官と一緒に、法廷で検察側、被告弁護側双方の主張を聞き事件の背景に迫る。評議に参加し有罪か無罪かや量刑の判断をする。悩んだり戸惑ったりすることも多く心理的な負担も大きいだろう

▼最高裁が公表した裁判員制度10年の総括報告書によると、裁判員に対するアンケートで9割以上が、制度開始から一貫して司法参加の経験を肯定的に評価している

▼司法に市民感覚を反映させるための制度は浸透しつつあるようだ。今年3月末までに全国で約1万2千件の審理が行われ、裁判員や補充裁判員として計約9万1千人が参加した

▼一方で裁判員候補に選ばれても仕事などを理由に辞退する人は、増加傾向が続いている。改善の手だてが必要だろう。(柴)

2019 年
 5 月 20 日 (月)

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