2018年11月20日(火)

【いばらき春秋】

京都大の高橋淳教授らのチームが、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経細胞を作り、パーキンソン病患者の脳内に移植する治験を50代の男性に実施した。iPS細胞を使った再生医療はさまざまな疾患で計画され、パーキンソン病での治験は世界初▼iPS細胞は皮膚などの細胞に人工的に遺伝子を入れるなどして、さまざまな細胞に変化できる。山中伸弥・同大教授が2006年にマウスで、07年に人で作製を報告、ノーベル医学生理学賞を受賞した▼一方、自由診療クリニックで、安全性や有効性の不明確な治療が、ルールを無視して行われる事例が相次いでいる▼福岡市のクリニックが今年4月にアルツハイマー病で始めた治療では、計画外の方法で培養した細胞を患者に投与。兵庫県伊丹市のクリニックは、計画に明記していない病気の患者に脂肪由来の幹細胞を注射した▼これを踏まえ、厚労省は再生医療の監視体制を強化。再生医療安全性確保法に基づく事前審査を厳格化するほか、専門家らによる評価や利害関係がない複数の委員の参加を義務付け、来春から施行する▼再生医療には多くの人が、希望を見いだそうとしている。期待された効果が早期に生み出されるよう導いてほしい。(信)

2018 年
 11 月 20 日 (火)

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