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臨界プラズマ装置「JT-60SA」組み立て始まる 原子力機構那珂研究所

JT-60SAの組み立てが始まり、クレーンでつり下げられ設置される基礎部分=那珂市向山の那珂核融合研究所
JT-60SAの組み立てが始まり、クレーンでつり下げられ設置される基礎部分=那珂市向山の那珂核融合研究所


フランスで建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)の関連施設として整備される臨界プラズマ試験装置「JT-60SA」の組み立てが28日、那珂市向山の日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所で始まり、基礎部分の据え付けが行われた。同研究所では2019年3月の稼働を目指しており、完成後はITERを補完する実験に取り組む。

ITERは日本など6カ国と欧州が連携して開発、太陽で起きているのと同じ核融合燃焼を地上で再現してエネルギーを取り出す。核融合エネルギーの実用化は今世紀半ばを目指している。

JT-60SAは、その補完的な役割を担って設置される。前身のJT-60は08年に稼働を終え、12年までに付属の実験装置を残して解体された。この開発成果を受け継ぎながら、JT-60SAは新たに超伝導コイルを使う装置として改造される。

JT-60SAでは高圧力のプラズマを長時間維持する実験を行い、その成果をITERに反映させる。また、実験炉の次の段階に当たる原型炉の実現に向けた研究を行うほか、核融合の研究者、技術者の育成にも取り組む。

この日から組み立てが始まった基礎部分(直径12メートル、高さ3メートル、重さ計250トン)はスペインから船で運ばれて16日に茨城港日立港区に到着し、同研究所に搬入されていた。

同機構の核融合研究開発部門先進プラズマ研究開発ユニット長の鎌田裕さんは「核融合研究の世界的拠点となる。若い人、科学を志す人も一緒に研究してほしい」と話した。

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