芸術を身近に 小澤征爾新館長が会見
水戸芸術館(水戸市五軒町)の新館長に就任した世界的な指揮者で、文化勲章受章者の小澤征爾さん(77)が4日、会見した。師と仰ぐ故吉田秀和前館長の運営方針「水戸から世界への発信」の継承を前提とした上で、「芸術を市民に身近なものにしたい」と“小澤カラー”を打ち出し、子どもたちへの芸術活動の普及などに力を注いでいく考えを示した。
小澤さんは1日付で館長に就任した。1990年の開館から館長を務め、昨年5月に死去した音楽評論家の吉田さんの後を継ぎ、2代目館長となった。
同館で開いた会見で、小澤さんは時折明るい笑顔を見せながら館長就任の動機や自らの健康問題、今後の運営方針などについて語った。
就任依頼を引き受けた理由については、吉田さんの運営方針への共感や開館当初から発足した水戸室内管弦楽団(MCO)との縁を強調し、「(水戸芸術館が)市民の方に支持され、愛されていると分かり始めた。音楽家が面と向かって(水戸市の)姿勢と組んでいいんじゃないか、と思った」と語った。
2010年に手術した食道がんなど健康問題については、「昔だったら完全に死んでる病気だが、素晴らしい技術のおかげで生き延びている。いつまた再発するか分からないと言われていたが、検査の結果『無事卒業』と出た」と話し、病状回復が館長就任を後押したことも明かした。
運営方針では、「水戸から世界への芸術文化発信」を堅持した吉田路線の継承を念頭に「音楽、美術、演劇の三つとも発展性あるものにしたい」と強調。「芸術館があることで水戸の人たちに、芸術をなるべく難しくならないよう、身近なものにしたいと思う」と意気込みを語った。
その上で、開館以来の若者向け音楽鑑賞会などを発展させた教育普及事業充実の方向性を示し、「子どもたちを見れば必ず、親御さんたちも興味を持つ。それが親御さんたちにもしみ渡るようになれば本望」と語った。
会見には、同館の運営に当たる水戸市芸術振興財団理事長の森英恵さんと吉田光男副館長、水戸市の高橋靖市長も出席。
森さんは、小澤さんの館長就任の経緯などについて説明し、「吉田館長が20年以上行ってきた運営を引き継げるのは、開館以来毎年のように水戸へ指揮に来ていただき、約60年間、吉田先生と深い関係にあった小澤さんのほかにないと考えていた」と明かした。
高橋市長は「小澤新館長の就任で、水戸市に新たなブランド力が生まれた。行政としてもしっかり芸術館を支援し、水戸から世界へ向けて芸術文化を発信したい」と語った。
小澤さんは1日付で館長に就任した。1990年の開館から館長を務め、昨年5月に死去した音楽評論家の吉田さんの後を継ぎ、2代目館長となった。
同館で開いた会見で、小澤さんは時折明るい笑顔を見せながら館長就任の動機や自らの健康問題、今後の運営方針などについて語った。
就任依頼を引き受けた理由については、吉田さんの運営方針への共感や開館当初から発足した水戸室内管弦楽団(MCO)との縁を強調し、「(水戸芸術館が)市民の方に支持され、愛されていると分かり始めた。音楽家が面と向かって(水戸市の)姿勢と組んでいいんじゃないか、と思った」と語った。
2010年に手術した食道がんなど健康問題については、「昔だったら完全に死んでる病気だが、素晴らしい技術のおかげで生き延びている。いつまた再発するか分からないと言われていたが、検査の結果『無事卒業』と出た」と話し、病状回復が館長就任を後押したことも明かした。
運営方針では、「水戸から世界への芸術文化発信」を堅持した吉田路線の継承を念頭に「音楽、美術、演劇の三つとも発展性あるものにしたい」と強調。「芸術館があることで水戸の人たちに、芸術をなるべく難しくならないよう、身近なものにしたいと思う」と意気込みを語った。
その上で、開館以来の若者向け音楽鑑賞会などを発展させた教育普及事業充実の方向性を示し、「子どもたちを見れば必ず、親御さんたちも興味を持つ。それが親御さんたちにもしみ渡るようになれば本望」と語った。
会見には、同館の運営に当たる水戸市芸術振興財団理事長の森英恵さんと吉田光男副館長、水戸市の高橋靖市長も出席。
森さんは、小澤さんの館長就任の経緯などについて説明し、「吉田館長が20年以上行ってきた運営を引き継げるのは、開館以来毎年のように水戸へ指揮に来ていただき、約60年間、吉田先生と深い関係にあった小澤さんのほかにないと考えていた」と明かした。
高橋市長は「小澤新館長の就任で、水戸市に新たなブランド力が生まれた。行政としてもしっかり芸術館を支援し、水戸から世界へ向けて芸術文化を発信したい」と語った。