「放射性物質漏れ」訓練 J-PARC、事故後初
昨年5月に放射性物質漏れ事故を起こした東海村白方の大強度陽子加速器施設(J-PARC)で25日、同様の事故が素粒子原子核(ハドロン)実験施設で起きたとの想定で、事故対応訓練が職員や研究者ら約150人が参加して行われた。事故後の同施設での訓練は初めて。J-PARCセンター(池田裕二郎センター長)は来年3月の実験再開を目指している。
訓練は、標的に陽子ビームを当てて素粒子を発生させる実験中に標的が損傷し、一次ビームライン室内に放射性物質が拡散したとの想定で実施。施設内にいた研究者ら男女5人は、施設外へ素早く避難し汚染検査をして被ばくの有無を確認した。
発生から約15分後、同施設の管理責任者を長とする現場指揮所と、敷地内に併設の原子力科学研究所の大山幸夫所長をトップとする現地対策本部をそれぞれ立ち上げた。事故対応や情報収集、原子力規制庁や県、東海村などへ通報を行った。
対策本部と現場指揮所や東京事務所などをテレビ電話で結び、情報をスムーズに共有できたものの、自治体への通報が第2報以降で手間取るなどの課題も浮き彫りになった。
訓練後、池田センター長は「今回は研究者の退避を優先した点で、きちんとできた。放射性物質も外に漏らさなかったのは前回(事故時)より進化した」と評価する一方、通報遅れについて「もう少し繰り返し訓練していく」と述べた。
(根本樹郎)
訓練は、標的に陽子ビームを当てて素粒子を発生させる実験中に標的が損傷し、一次ビームライン室内に放射性物質が拡散したとの想定で実施。施設内にいた研究者ら男女5人は、施設外へ素早く避難し汚染検査をして被ばくの有無を確認した。
発生から約15分後、同施設の管理責任者を長とする現場指揮所と、敷地内に併設の原子力科学研究所の大山幸夫所長をトップとする現地対策本部をそれぞれ立ち上げた。事故対応や情報収集、原子力規制庁や県、東海村などへ通報を行った。
対策本部と現場指揮所や東京事務所などをテレビ電話で結び、情報をスムーズに共有できたものの、自治体への通報が第2報以降で手間取るなどの課題も浮き彫りになった。
訓練後、池田センター長は「今回は研究者の退避を優先した点で、きちんとできた。放射性物質も外に漏らさなかったのは前回(事故時)より進化した」と評価する一方、通報遅れについて「もう少し繰り返し訓練していく」と述べた。
(根本樹郎)