はやぶさ2の旅立ちを応援しようと、つくば市千現の宇宙航空研究開発機構(JAXA)で3日、パブリックビューイングが行われた。大人から子どもまで関心が高いはやぶさだけに、モニターで打ち上げ中継を見守った宇宙ファン約280人から歓声が上がった。

つくば市の嶋綾子さん(36)は、はやぶさを擬人化したイラストを書いたうちわを握りしめ、その瞬間を待った。「女性としては遠くへ旅立つわが子を見送るような気持ち」と表現。ごう音とともにロケットが発射されると、感動のあまり目頭を押さえた。

「数々のトラブルに遭遇しながらも地球への帰還を果たした初号機『はやぶさ』に感動した」と嶋さん。「打ち上げ期限(9日)が迫る中、2度の延期を乗り越え本当に良かった」と目を細めた。

「特殊な装置を使って惑星からサンプルを取る技術がかっこいい」と話すのは東京都の遠藤開君(10)。リュックサックの中には、はやぶさの本。「はやぶさが戻ってくる6年後、僕は高校生。きょうの思い出を忘れない」と誓った。

都内で金融関係の仕事に就く男性(33)は、大学で宇宙開発の研究に取り組む知人の影響で興味を持った。「はやぶさは日本の技術力の高さの象徴。人類の発展に寄与する大きな発見に期待したい」。　(今橋憲正)