2016年1月6日(水)

県内合併25市町 24市町、特例債期間延長

活用慎重、発行済み4割

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「平成の大合併」で誕生した県内25市町のうち神栖市を除く24市町が本年度までに、公共施設の整備などに使える合併特例債の発行期間を5〜10年間延長した。合併のピークから10年を迎える中、25市町全体の特例債発行額は限度額の約4割(2014年度末現在)にとどまっており、特例債発行に慎重な自治体がある半面、今後、施設整備などを加速させて限度額まで活用を見込む自治体もある。


特例債は国が合併を促すために用意した優遇措置の一つ。借金の7割が国の地方交付税で穴埋めされ、市町村は事業費の3割程度の負担で済む。

延長手続きは、11年3月の東日本大震災を受けて国が特例債の発行期間を当初の10年間から20年間まで延長したことへの対応。特例債発行には合併後のまちづくりの方針を定めた「新市建設計画」を変更する必要がある。

県市町村課によると、14年度末現在の県内25市町による特例債事業(建設事業)は計約800件で発行額は計約2100億円。起債限度額の43%にとどまり、発行可能額は半分以上残されている。

県の担当者はこの要因について「大震災後は復旧・復興事業が優先され、別の有利な地方債制度ができたため特例債事業は一部停滞した」と分析する。

加えて、自治体によっては特例債事業の対象となるハコモノ建設への反発で事業が中止に追い込まれたり、建設地選定が難航して事業を進められなかったりする例もみられた。

ただ、県は「最終的には大半の自治体が上限近くまで活用するだろう」とし、今後、活用の動きを加速させる自治体が多いとみる。

■   ■

昨年末に10年延長を決めた鉾田市は、市民交流館や学校の建設などに特例債を充てる予定。現状で約4割の発行額は最終的に上限の約179億円になる見通し。市の担当者は「必要な事業に積極的に活用したい」とする。

同11月に10年間の延長を決めた下妻市も16年度以降、道路整備や市街地再生事業に約20億円の追加発行を計画し、限度額(約104億円)の9割に上る見通し。水戸市も発行額は現状で25億円程度だが、市庁舎や市民会館建設などの4大プロジェクトが控え、限度額の約184億円に達するとみている。

一方、上限が約190億円の桜川市は、計画中の事業を全て行えば発行率は現状の2割弱から9割程度まで膨らむが、「有利な財源だが借金。財政状況を見ながら必要な事業を見極めていく」とする。笠間市も上限の6割程度にとどめる意向で、3割程度の負担とはいえ借金を増やすことに慎重な自治体もある。

地方交付税を受けない不交付団体の神栖市は現時点で延長するかどうか未定で発行期限の本年度内に態度を決める方針。 (戸島大樹)

2016 年
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