2016年1月11日(月)

指定廃棄物 県内、分散保管継続か

環境省、年度内にも方針 安全確保策やルール検討

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東京電力福島第1原発事故で出た指定廃棄物の処分場問題で、環境省は本年度内にも保管する県内14市町長の会議を開き、現状の分散保管継続に対する方針を示す。昨年の同会議で各首長は分散保管でまとまった。同省は本県を含む5県で県内1カ所集約の方針を掲げているものの、例外を認めれば本県の問題は終息する可能性もある。ただ、他県の一部で本県と同じ分散保管を求める声などもあり、同省は本県での分散保管を認めた際は他県に影響が及ぶことも鑑み、慎重に検討を続けているとみられる。

昨年4月の14市町長会議では分散保管の意見が大勢を占め、1カ所集約を求める声はなかった。同省は「実現可能性を精査し、検討したい」とした。

しかし、その後8カ月も会議はなく、昨年12月24日に橋本昌知事は県庁で井上信治環境副大臣と面会し、早期の会議開催と分散保管に対する同省の方針を示すよう求めた。

井上副大臣は会見後の記者会見で「しっかりお答えすることがわれわれの責任だ」とし、本年度内に会議を開く考えを示した。

同会議を受けて同省は、分散保管するための施設の強化策や地域住民の安全・安心確保策などの検討に着手。3643トン(14年12月現在、未指定分含む)ある指定廃棄物のうち、放射性濃度の減衰で、事故発生から15年後以降も長期間残る指定廃棄物の処分場所を確保することも対象としている。

放射性濃度の減衰に伴う指定解除のルールの検討も行われ、同省は年明けの早い時期に方針を示す姿勢を見せるなど、分散保管への環境整備が水面下で進みつつある。

一方、他県を見ると栃木県では候補地の塩谷町が昨年9月の関東・東北豪雨で候補地が冠水したとして12月に候補地返上を同省に申し入れた。宮城県でも同月、栗原、加美、大和3市町が候補地を返上し、白紙撤回を求めるなど議論は混迷を深めている。

さらに千葉県では、候補地の千葉市が本県と同じ分散保管の継続を主張するなど、本県の分散保管が認められた場合は他県にも何らかの影響が及ぶ可能性もある。

同省は各県1カ所処分を堅持し続けており、井上副大臣も千葉県について、これまでの市町村長会議を受けて「1カ所整備の意見が大勢だ」とけん制するが、先行きは不透明だ。

同省は他県の動向も見ながら分散保管について、慎重に検討を続けているとみられる。(高岡健作)

2016 年
 6 月 29 日 (水)

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