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鬼怒川決壊 被災者ケア 課題探る 「災害支援ナース」報告会 土浦で80人

被災者の支援活動について付箋に書いて振り返る看護師=土浦市沖宿町
被災者の支援活動について付箋に書いて振り返る看護師=土浦市沖宿町


昨年9月の関東・東北豪雨で、被害のあった常総市などに被災者支援のため派遣された「災害支援ナース」による活動報告会が19日、土浦市沖宿町の県霞ケ浦環境科学センターで開かれた。支援に入った看護師約80人がそれぞれの活動を振り返りながら、支援の在り方をグループで話し合った。


支援活動では、県内だけでなく近隣1都5県の災害支援ナースも応援に入り、延べ832人が避難所や医療機関で、10月16日までの1カ月余り活動。午後5時から翌午前9時まで、泊まりがけで被災者の健康指導や服薬管理、心のケアを中心に支援ケアに当たった。

災害支援ナースは実務経験5年以上で一定の研修を受講した看護師。県内では175人が登録している。県看護協会のまとめでは、避難所での活動は、被災者の体温や血圧などの測定が最も多く、次いで服薬管理、傷の処置などだった。

報告会で日立総合病院の豊田直樹さん(43)は東日本大震災の後、「何かできないか」と考え、災害支援ナースになった経緯を説明。常総市へは一度派遣されたが、「被災者の不安の訴えを聞くぐらいしかできなかった。淡々と話を聞いたぐらい。もっと自分から行っていれば良かった」と振り返った。

ほかに会場では「日中の片付けで疲れてる人に声を掛けづらい」「メンタル的な支援までできたかというと難しい」と被災者との交流の難しさを挙げる意見も出た。

また、避難所には家庭用の救急箱程度しかなく、医療機器や医薬品が不足した場面もあったと指摘が出た。県看護協会からの要請で参加した友愛記念病院の小沢真生(まき)さん(41)は「物(支援物資)は何が足りないかとか、地域の人と連携が取れるようになればいい」と今後の課題を挙げた。 


(鈴木里未)

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