2016年6月15日(水)

鹿島労災・神栖済生会、2病院統合再編を 検討委報告書、医師不足解消狙う

橋本昌知事に「鹿島労災病院と神栖済生会病院の今後のあり方検討結果報告書」を提出した小松満県医師会長(左)=県庁
橋本昌知事に「鹿島労災病院と神栖済生会病院の今後のあり方検討結果報告書」を提出した小松満県医師会長(左)=県庁

医師不足で共に厳しい経営が続く神栖市の鹿島労災病院(土合本町)と神栖済生会病院(知手中央)の統合再編の必要性を指摘する報告書が14日、両病院の在り方を議論してきた検討委の委員長・小松満県医師会長から橋本昌知事に提出された。報告書は、2病院の統合再編によって経営基盤を強化し、医療設備の充実を図って大学から医師の派遣を受けやすい新病院を整備する必要があるとまとめている。2020年度ごろに新病院開院を目指す。 

2病院の今後の在り方検討委は、県が2月、両病院と経営母体の関係者、保立一男神栖市長や鹿島医師会、学識経験者で組織し、これまでに委員会を3回開いて話し合いを進めてきた。

報告書によると、検討委は、2病院の統合再編と新病院整備は不可避と指摘。18年度ごろの経営統合と機能分化を目指し、経営主体は、神栖済生会を運営する社会福祉法人恩賜財団済生会とし、鹿島労災を運営する労働者健康安全機構が建物などを移譲する。機能分化については、現有建物を継続使用し、医療機能の分担・連携を進め、2病院を本院と分院としてそれぞれ運営する。

新病院等の開院は20年度ごろを目指す。350床程度とし、整備場所は(1)神栖済生会を増床(2)鹿島労災病院解体後の跡地(3)両病院の中間地点での新施設建設-の3案を提示。空いた病院(新施設建設の場合は神栖済生会)を19床までの診療所とする。それぞれの概算事業費は神栖済生会の増床が74億円程度、鹿島労災跡地が142億円程度(建物解体費除く)、中間地点は141億円程度(土地購入費除く)と試算した。

今後は報告書に基づき、再編統合協議会と統合準備室を設け、新病院の設置場所や職員の処遇などの検討を進める。

鹿島労災の常勤医師は現在14人。09年は最大40人いたが、その後、派遣大学の医師の引き上げが続き、13年には10人まで減少した。12年度以降、各年度10億円以上の赤字を計上している。一方、神栖済生会の常勤医師は現在20人で、179床のうち86床が「休眠」状態になるなど、14年度は約1億6500万円の赤字を計上した。

検討委の話し合いでは、両病院の医師不足が影響し、14年の救急患者の47%が市外の病院に搬送。病院の収用平均所要時間は県内24消防本部の中で最長の50分で、県平均と比べて10分近く長い。また、入院患者の約7割は市外の医療機関に入院していることなどが、問題点として挙がった。

小松会長は「このまま何も手を打たなければ、神栖地域の医療は崩壊する。統合再編は大変だが、住民の理解を得て進めてもらいたい」と強調した。

橋本知事は「県としてもできることをしっかり支援していく」と話した。 (小池忠臣)

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