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米スーペリア市史料館、旧日本兵の遺留品返還 群馬の遺族へ

遺品を手渡すマイク・ヘリックさん(左)と受け取った佐原望さん(右)=阿見町役場
遺品を手渡すマイク・ヘリックさん(左)と受け取った佐原望さん(右)=阿見町役場


阿見町と姉妹都市を結ぶ米ウィスコンシン州スーペリア市の歴史史料館が、保管していた旧日本兵の遺留品を遺族に返還することになり、9日、同町を訪れた同市の使節団員の手から群馬県に住む遺族に遺留品が手渡された。戦後71年目を迎え、史料館は「家族にお返しすることがわれわれの望み」との言葉を使節団に託した。

遺留品は、陸軍の飛行兵だった群馬県の佐原米造さんのはがき、印鑑、運転免許証、俸給支払証票。佐原さんは1942年ごろ徴兵され、フィリピンに動員された。戦後、1年間の抑留を経て帰国。2013年、90歳で生涯を閉じた。

遺留品は、フィリピン・ルソン島にいた元米兵が戦場から持ち帰り、その後スーペリア市の史料館「リチャード・I・ボン退役軍人歴史センター」に保管されていた。遺留品がたどった詳しい経緯は不明という。

阿見町国際交流協会の亀村達男事務局長が昨年、交流の一環で史料館を訪れ、遺留品に気付いた。帰国後、厚生労働省に名前を問い合わせ、遺族が判明した。

この日は佐原さんの三男で群馬県伊勢崎市の会社員、望さん(55)が町役場を訪問。スーペリア市使節団長で市議のマイク・ヘリックさん(58)から遺留品を受け取った。

ヘリックさんは「家族にとって記念すべきことになるのでは。心を込めて返還します」と史料館長から望さんへの手紙を代読した。

望さんは「71年たって返ってきたのも何かの縁。できれば生前だったらもっとうれしかった。やっと父親の戦争が終わったのかなという気持ちもある」と語った。 (鈴木里未)

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