2017年1月11日(水)

鹿島港沖の風力発電、丸紅が撤退

当初の採算水準届かず

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鹿島港沖(神栖市)で洋上風力発電事業を行う計画だった大手商社の丸紅(東京)が事業を取りやめることが10日、分かった。25基の大型風力発電設備を設置する予定だったが、同社は「風況が想定の水準に達しなかったことも含め検討した結果、当初想定した事業採算の水準を下回った」と説明している。県は同日付で事業予定者の取り消しを決め、2月に新たに公募すると発表した。


県は2012年7月に鹿島港の港湾区域に「再生可能エネルギー源利活用区域」を設定し、風力発電設備の導入に向けて民間事業者を公募。丸紅の事業計画はウィンド・パワー・エナジー(神栖市)とともに同年8月に採択された。

計画では2社で計680ヘクタールの水域を分割し、丸紅が南側区画を、ウィンド・パワー・エナジーが北側区画を担い、17年の稼働を目指して出力5メガワット級の風量発電設備計約50基を建設する予定だった。

丸紅は当初15年に着工し、17年に風力発電設備を稼働させる予定だったが、まだ着工しておらず計画に遅れが出ていた。ウィンド・パワー・エナジーは計画通り事業を進めるという。

昨年12月26日に丸紅側から県に対して事業取りやめの報告があり、運営コストが想定を上回ることや、風況が想定を下回ることから、当初の利益目標に達しない点が撤退理由に挙げられたという。

県は丸紅が撤退した南側区画の水域について、2月を目途に公募する。

県港湾課は「現時点でほかの事業者から風況の問題に関する指摘はない」と説明し、「場所が水域で不利益は生じていないため、事業者への特段の措置は考えていない」としている。

洋上風力発電は陸上に比べ風速が安定しており、騒音の影響が少ないのが利点で、県全体の風力発電施設の約8割が神栖市に集中し、関東有数の風力発電地域を形成している。

北側区画を担うウィンド・パワー・エナジーは、大規模洋上風力発電所「メガサイト鹿島」の第1期計画として、1・2〜1・6キロ沖合に出力5千キロワット級の風車を設置し、総出力10万キロワットの事業を進めている。

年間総発電量は、一般家庭約6万世帯分の年間消費電力量に相当する約2億4500キロワット時を見込む。当初は17年中の稼働を目指していたが、着工が遅れている。

(戸島大樹)

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