物質・材料研究機構(つくば市)で研究が進む新素材「スマートポリマー」を紹介する出前授業が17日、笠間市南吉原の市立南小(海老原誠校長、児童数134人)で全学年を対象に行われた。研究者の荏原充宏さん(41)と職場の仲間が演じる同素材の擬人化キャラクター「スマポレンジャー」が実験などを通じ、元の形に戻る形状記憶といった特性を説明、科学への関心を促した。

授業は県県南生涯学習センターの科学体験支援事業として実施。同素材は形状記憶、体内で分解し排出される生分解性、白血球に攻撃されない免疫回避などの特性を持ち、医療への応用が期待されている。

実験には児童を代表して3年生が参加。素材の破片を目いっぱい引き伸ばし、ひも状にして湯に漬けると、瞬く間に元の形に戻る様子に、児童たちは歓声を上げた。また、キャラクターが出題するポリマー関連のクイズにも熱中、すっかり科学の世界に引き込まれていた。

荏原さんは「人が想像できることは必ず実現できる」と信念を語り、夢を描くことの大切さも強調した。

3年の浜田龍聖君(9)は「スマポレンジャーに会えてよかった。実験が楽しく(素材が)元の形になったのは驚いた」とうれしそうに話した。(今井俊太郎)