2017年2月9日(木)

「茂光洋」誕生 常陸牛に期待の種牛

交配の子牛、全頭基準超え

「常陸牛が多く生産できれば、経営安定につながる」と話す稲見清治さん=筑西市岡芹
「常陸牛が多く生産できれば、経営安定につながる」と話す稲見清治さん=筑西市岡芹

高級和牛を生む優れた種牛が本県に誕生した。名は「茂光洋(しげみつひろ)」。県畜産センター肉用牛研究所の調査によると、生まれた子牛が本県ブランド牛「常陸牛」の基準を超える確率は現時点で100%。県は常陸牛の生産頭数を増やし、ブランド力アップと農家の収入向上につなげる。

「大きく育ち、肉質も良い」と話すのは、筑西市岡芹の畜産業、稲見清治さん(46)。2014年に同研究所の依頼を受け、試験的に茂光洋の種を使った。子牛2頭が産まれ、昨年の夏から秋にかけて出荷。肉質の評価は高く、2頭とも常陸牛として認められた。

今月にも5頭の雌牛との交配を予定する。稲見さんは「子牛の値段が高騰しており、常陸牛になってもらわないと採算が取れない。茂光洋の種によって常陸牛になる牛が増えれば、収入も増す」と期待する。

県によると、茂光洋は肉質や体重増加など優れた能力を持つ雄牛「茂洋(しげひろ)」と、雌牛「やよい」の交配により、10年に大子町の畜産農家で誕生した。有望な雄種牛として同研究所に引き取られ、飼育されている。

肉用牛は霜降り度合いやきめなどで評価する「肉質等級」と、1頭から取れる肉の量を推定する「歩留(ぶどまり)等級」で評価される。肉質等級が4等級以上に加え、歩留等級がAまたはB等級となることで、黒毛和牛ブランドの常陸牛となる。

同研究所が茂光洋の子牛16頭の肉質を調査したところ、全ての子牛が常陸牛の基準を満たした。12段階で評価する霜降り度合いは平均9・3。通常は5以上が常陸牛相当とされる中、大きく上回った。1999年以降の調査で、本県種牛歴代1位の数値となった。

肉質等級では、最高ランク「5等級」の割合が94%を占め、全国平均の約30%を大きく上回った。

昨年10月、茂光洋の凍結精液は県酪農業協同組合連合会で販売を始めた。茂光洋の子牛は2020年春にも市場出荷される見込み。

県畜産課の松本茂課長補佐は「県内の生産者に使ってもらうことで、高品質な牛を多く生産し、経営安定につなげてほしい」と期待した。 (磯前有花)

生産者の期待を集める種牛「茂光洋」(県提供)
生産者の期待を集める種牛「茂光洋」(県提供)

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