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笠間陶芸大学校 卒業制作展に60点

個性豊かなオブジェが並ぶ笠間陶芸大学校の卒業制作展=笠間市笠間の県陶芸美術館
個性豊かなオブジェが並ぶ笠間陶芸大学校の卒業制作展=笠間市笠間の県陶芸美術館


昨年4月に開校した県立笠間陶芸大学校(金子賢治校長)の初めての卒業制作展が同市笠間の県陶芸美術館で開かれている。心の葛藤や思いを表現した先鋭的なオブジェをはじめ、動植物をモチーフにした半抽象の作品、課題制作の酒器など約60点を展示。土と向き合い、研さんを積んだ“陶芸家の卵”たちの個性が輝く。24日まで。

大学校研究科生2人と、新カリキュラムで学んだ旧県窯業指導所成形基礎コース2年生8人が出品。

宮本果林さん(23)=研究科=は、イノシシ、シカ、カラス、ウサギ、ヘビをモチーフに5点で構成した「印 -in-」を出品。それら動物に込められた神話的要素を加味し、「不動」「喜び」「知恵」などといったイメージを表現。ひび割れを生かした外観からは、土本来の力強さが伝わる。

井川絢子さん(24)=基礎コース=の「花蟲綱(かちゅうこう)」は、海底の暗闇で息づくサンゴを題材に、独特の質感を再現している。川井雄仁(かずひと)さん(32)=同=の「Death drive」は、人の背丈程もある大きさと3本足の造形が圧巻。おびただしい数の突起物が有機的に集積し、釉薬(ゆうやく)の流れとともに命の気配を漂わせている。

金子校長は「卒業制作は研さんの集大成であり、社会に出る前の大切な節目。土との対話の中で表れる学生たちの個性を、批判とともに楽しんでいただければ」と話した。

3月11〜20日、同市下市毛の「笠間の家」で巡回展示。問い合わせは同大学校(電)0296(72)0316。 (沢畑浩二)

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