2017年3月21日(火)

高齢化、細るハンター 県猟友会員、10年で半減

イノシシ被害拡大懸念

県猟友会メンバーがクレー射撃を実演した猟銃免許取得研修会=4日、笠間市石寺の県狩猟者研修センター
県猟友会メンバーがクレー射撃を実演した猟銃免許取得研修会=4日、笠間市石寺の県狩猟者研修センター

県内でハンターが減り続けている。県猟友会によると、散弾銃やライフル銃を扱う「第1種銃猟免許」を持つ会員数は2月20日現在で2070人。この10年で半分に減った。高齢化で引退するハンターが多く、新規取得者が追い付かない。このまま減り続ければ有害鳥獣のイノシシ駆除に影響が出かねないと懸念の声が広がる。農作物被害や生息域拡大を阻むため、若手ハンターの育成が課題だ。

■「体力の限界」
同会によると、会員数は1975年ごろの約1万8千人をピークに右肩下がりが続く。特に第1種免許を持つ会員数は2003年度に4716人いたが、年間約200人ずつ減り、10年前の06年に4093人に、5年前の11年度には2874人となり初めて3千人を切った。その後も減少は止まらず、2月20日現在で2070人。03年度の43・8%、06年度の50・5%にまで落ち込んだ。

減少の理由は高齢化だ。第1種免許を持つ会員の平均年齢は今年65歳の大台に乗った。現役の中でも「体力の限界を感じている人が多い」(同会事務局)といい、09年の銃刀法改正による猟銃所持の規制強化や東京電力福島第1原発事故の影響で、狩猟をやめる人が後を絶たない。狩猟に魅力を感じる若者が少なく、新規取得者の多くは60歳代という。

こうした現状に同会理事の清水昂(あきら)さん(73)は「田畑の多い本県はイノシシにとって絶好の環境。会員の減少に伴い捕獲頭数が減ると、農作物被害は大変なことになる」と危機感を募らせる。

■わな猟取得増
県環境政策課によると、イノシシの捕獲頭数は年々増加。15年度は6069頭に上り、目標の5千頭を大幅に上回った。農作物被害を防ごうと、くくりわななど「わな猟」が進んだ。狩猟免許のうち、わな猟は自治体が免許取得費を補助したり、県が試験回数を増やしたりして取得を支援したため、会員数が07年度の101人から今年294人と3倍に増えた。

ただ、わなで捕獲したイノシシを最終的に処分するのは猟銃だ。暴れるイノシシを仕留めるのは危険が伴い技術が必要という。

さらにイノシシ肉は原発事故で出荷制限を受けているため焼却処分が原則とされ、解体や運搬の重労働が伴う。捕獲1頭当たり1万〜1万5千円の報奨金を設ける自治体もあり、駆除にはハンターの技術と経験が欠かせない。

■若手確保へ研修
県は昨年10月、銃猟免許取得研修会を初めて開催。わな猟免許取得者に猟銃を身近に感じてもらい、第1種免許の取得につなげるのが狙いで、今年3月にも開いた。JA関係者や純粋に興味がある人など計約50人がクレー射撃を見学し、ビームライフルを体験。猟銃歴10年の女性から体験談を聞くなどして狩猟の必要性について学んだ。

第1種免許は、わな猟に比べて取得費用や規制のハードルが高い。免許を取得し、実際に狩猟を始めるにも猟友会員の協力や紹介が要る。県の担当者は「熟練ハンターの技術や知識をいかに伝えてもらうかが今後の課題」と話している。 (島田真太郎)

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