2017年4月3日(月)

筑波大、念願の電波キャッチ 人工衛星、10カ国結ぶ

宇宙から発信される人工衛星ITF-2の電波をキャッチする筑波大の学生たち=同大
宇宙から発信される人工衛星ITF-2の電波をキャッチする筑波大の学生たち=同大

昨年12月に宇宙へ打ち上げられ、今年1月に宇宙空間へ放出された筑波大の超小型人工衛星「ITF-2」が順調な活動を続けている。約90分で地球を一周し、宇宙から電波を発信。地上で電波を受信した人たちのネットワークづくりに貢献している。現在までに「衛星からの電波をキャッチした」という内容の受信報告が、日本を含む10カ国から計160件以上寄せられている。


同衛星の現在の課題は、さらに多くの人に電波を受信してもらうこと。学生らを指導し、衛星を開発した同大の亀田敏弘准教授(48)は「30カ国の人に受信してもらうことが目標。そのために人工衛星のことをもっと広め、知ってもらう努力が必要」と話す。

同衛星は同大2機目の人工衛星。一辺約10センチの立方体で、重さ約1・39キロ。宇宙から電波を発信し、その電波を地上で受信した人たちを、インターネットなどを使ったネットワークで結び付けるのが主な任務。亀田准教授と学生有志らによる「結(ゆい)」プロジェクトのメンバーが2014年5月から約2年間で完成させた。大学では現在も、メンバーの学生らが毎日交代で衛星の状態をチェックしている。

「ほっとした。『本当に動いている』と感動した」。学生リーダーを務めた永田晃大さん(22)は電波を確認した当時を振り返った。同衛星は打ち上げ後、無人補給機「こうのとり」6号機で国際宇宙ステーションへ運ばれ、今年1月16日に日本実験棟「きぼう」から宇宙空間へ放出。翌17日早朝に学生たちが大学から無線で衛星に指令を送ると、衛星が指令をキャッチして応答。電波を発信していることが分かった。同大は14年に1号機を初めて宇宙へ打ち上げたが、不具合で宇宙から電波を発信できなかった。

衛星が発信する電波はアマチュア無線用の周波数帯を使い、モールス信号で地球に届く。電波はワンセグチューナー用のアダプターとスマートフォンなどがあれば受信できる。

同衛星は6カ月から1年ほど周回した後、大気圏に突入し、燃え尽きる。学生に共同作業を経験させ、プロジェクトを通じた人材育成を重視する亀田准教授は「学生たちには(衛星を宇宙へ)飛ばしてからの時間を大事にしてほしい。衛星が燃え尽きるまでに、もっと多くのことを学んでほしい」と願っている。

(高阿田総司)

最近の記事

全国・世界のニュース

2017 年
 12 月 17 日 (日)

メニュー
投稿・読者参加
サービス