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再興された祖師画14枚 興福寺の寺宝と畠中光享展、県五浦美術館で初公開

無著菩薩(右端)に始まる全ての祖師画14枚を初公開=県天心記念五浦美術館
無著菩薩(右端)に始まる全ての祖師画14枚を初公開=県天心記念五浦美術館
「地蔵菩薩立像」(鎌倉時代、興福寺蔵)
「地蔵菩薩立像」(鎌倉時代、興福寺蔵)


奈良の名刹(めいさつ)で法相宗大本山、興福寺の中金堂内に立つ法相柱に、かつて柱絵として描かれていた祖師画が再興され、北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で初公開している。開催中の「興福寺中金堂再建・法相柱柱絵完成記念 興福寺の寺宝と畠中光享展」では、仏教を主題とする日本画家の第一人者、畠中光享氏が制作した全ての祖師画14枚のほか、興福寺の宝物を展示し、興福寺に伝わる仏教美術の世界を紹介している。5月14日まで。

法相教学の中心寺院として栄えてきた興福寺は、その後の発掘調査を基に創建時の伽藍(がらん)復興が進む。その中核は、7度の消失、再建を繰り返してきた中金堂の約300年ぶりの再建。法相柱には祖師たちが描かれていたと史料に記録され、法相宗の教義の系譜を表していたと考えられるが、どのような絵像であったかは分かっていない。

3年をかけ制作された祖師画は、「唯識」ともいわれる法相宗の教義を大成したインドの無著菩薩(ぼさつ)に始まり、中国の玄奘三蔵など鎌倉時代まで、法相の教えを確立、発展させてきた祖師14人が描かれている。背景の奥深い群青は、1000年後も残すためにガラスなど科学的に作られた物質を使わず、天然素材の貴重な岩絵の具を幾度となく重ねた。目の黒色は岩絵の具を焼いて作るなど、「細部を見ると、画材に厳しく、技術に熟練したこだわりがよく分かる作品」と同館の塩田釈雄学芸員は話す。

寺宝の「法相曼荼羅(まんだら)図」(室町時代、奈良県指定文化財)などに伝わる姿を参考に制作。そぎ落とされた線が生む豊かな量感や、濃く鮮やかな色調で祖師を現代によみがえらせた。法相柱は高さ約10メートルで、祖師画は2018年秋に奉納される。塩田学芸員は「間近で見る機会は最初で最後。強い信念を語らせているような手の表情なども楽しみの一つ」と話す。

畠中氏は寺院の長男という出自を持つ。100回以上インドを訪れ仏教の源流、そしてインド美術を研究。今展では、代表作や新作計40点が並ぶ。びょうぶの作品の裏側に使用された染織物を一部見ることができる。興福寺の寺宝は、春日大社との密接なつながりがうかがえる「地蔵菩薩立像」(鎌倉時代)など計26点が展示されている。月曜休館(5月1日は開館)。問い合わせは同館(電)0293(46)5311。  (大貫璃未)

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