2017年5月9日(火)

野鳥、巣立ちの時期 専門家「ひな拾わないで」

親鳥に任せ、見守り

保護されたフクロウのひな(池田昇さん提供)
保護されたフクロウのひな(池田昇さん提供)

4月下旬ごろから夏にかけて、多くの野鳥のひなが巣立ちを迎える。この時期、まだうまく飛べなかったり、好奇心から地上に降りてきたりするひなを、善意から保護するケースが多く見られるという。しかし、人の手が入ることで、親鳥が子育てを放棄したり、野生に帰るのが難しくなったりすることもあるという。関係者は、「元気なひなは、見掛けても見守ってもらいたい」と呼び掛けている。

守谷市本町にある「小さな鳥の資料館」の池田昇館長(67)は、昨年、県鳥獣センターのボランティアとしてツバメやチョウゲンボウ、ツミなど10羽以上の保護されたひなを預かった。中でも毎年多いのはフクロウで、池田館長も昨年は3羽を世話した。「フクロウは木の穴の中で育つが、自分で動けるようになると地上を歩くことがある。そこを見掛けて保護してしまうことが非常に多い」

保護されたひなは、すぐに親鳥の所へ返せる場合もあるが、難しい場合は人の手で育てることになる。昨年、守谷市内で保護されたフクロウは近くできょうだいと思われる鳥が見つかり、一緒にしておいたところ、親鳥が迎えに来て連れて帰ったという。

日本野鳥の会茨城県の池野進会長(67)は「歩けるのであれば放っておくべき」と指摘。好奇心から地上に降りてくることがあるフクロウなどのほか、カモやキジなど卵からかえってすぐに巣の外を歩き回る種類のひなもおり、一目で素人がアクシデントかどうかを判断するのは難しい。多くの場合は近くで親鳥が見守っており、池野会長は「しっかりと成長したひなを保護してしまうことは、いわば誘拐と一緒」と指摘する。

県は、けがや病気の野鳥を保護する事業を行っているが、「ひなや卵」は原則として対象外としている。県環境政策課の担当者は、「親鳥がひなの面倒を見て、野生の中で生きるのが本来の在り方。けがで飛べない鳥を見掛けた場合は近くの県民センターなどに連絡してほしい」と話した。        (石川孝明)

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