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ガラス作品の魅力紹介 北茨城、硝子作家が公開制作

ダイナミックで繊細な作品作りを見せた大下邦弘さん=北茨城市華川町小豆畑
ダイナミックで繊細な作品作りを見せた大下邦弘さん=北茨城市華川町小豆畑


滋賀県の硝子作家、大下邦弘さんの公開制作が14日、北茨城市華川町小豆畑のガラス工房シリカで行われた。日本ではまだ数少ないバーナーを使ったデモンストレーションに、多くのガラス細工ファンが訪れ、大下さんがバーナーの炎でガラスを溶かしながら作品を仕上げていく様子を間近で見守った。

大下さんは1975年、徳島県生まれ。武蔵工業大学工学部建築学科卒、ドイツの「Bild-werk frauenau」や富山ガラス造形研究所でガラス造形を学ぶ。2004年に「現代ガラス展inおのだ」入選。07年から百貨店やギャラリーなどで個展を開いている。

大下さんは、約3千度のバーナーの炎によってガラスを溶融して成形するランプワークと呼ばれる制作手法で、棒状や管状のガラス材料の一部を熱して伸ばし、アンプル状になった中央部分を吹いて作品を仕上げる。制作を1人で完結できるため、細かい作業が可能となり、作者の構想通りの作品が作れる。

公開制作はガラスの常識を覆すことをテーマに、ガラス作品をイメージするコップや皿以外の形づくりに挑戦した。大下さんはワイングラスやティーポットなどのほか、魚の形のぐいのみ、ピーマンなどを造形したほか、野菜やスナック菓子、竹串、ノートなどを熱したガラスにあてがい、作品を成形してみせた。

大下さんは「当たり前だと思うことにクエスチョンマークを付けると、すごく面白く、楽しく、美しくなったりすることがある。そんな発見の手助けになれば」と、見る機会の少ないランプワークの公開制作に取り組む理由を説明した。

シリカの朝日健治さんは「繊細で一つ一つ魂のこもった作品。皆さん見ていてワクワクしたのでは。公開制作を通してガラスの良さや魅力を伝えられれば」と話した。

大下さんの作品は近日中にシリカで展示する。 (飯田勉)

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