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文化財解説 茨城大生、一斉公開前に研修 常陸太田

三宮治穂住職から直牒洞の説明を聞く学生たち=常陸太田市松栄町の香仙寺
三宮治穂住職から直牒洞の説明を聞く学生たち=常陸太田市松栄町の香仙寺


文化財の虫干しを兼ね、普段見ることのできない文物が一斉に公開される「集中曝涼(ばくりょう)」で、解説ボランティアを務める学生の事前現地研修会が8月31日、常陸太田市で行われ、茨城大の学生18人が、解説のポイントなどを学んだ。

学生たちは菊蓮寺(上宮河内町)や正宗寺(増井町)、旧町屋変電所(西河内下町)などを訪問。関係者から、国や県の指定文化財について説明を受け、本番に備えた。

今年初めて集中曝涼に参加する香仙寺(松栄町)では、境内にある洞窟「直牒洞(じきてつどう)」を見学した。同寺の三宮治穂住職(50)が、洞窟内の岩肌に描かれ、常不軽(じょうふきょう)菩薩が彫ったとの伝説が残る県指定文化財の石仏「阿弥陀三尊」や、浄土宗7祖の了誉(りょうよ)上人がこもり、書物を著したという逸話などを紹介。学生たちはメモを取りながら、興味深そうに聞き入っていた。

今年で3度目のボランティアという杉浦果奈さん(22)は、「すごいものがたくさん残っていて驚いた。地域の人々が昔から守ってきたということなので、少しでもお手伝いできれば」と話し、初参加の深谷つぐみさん(21)は「もっと勉強して、来てくれる人に分かりやすく説明できるようにしたい」と意気込んだ。

同市の集中曝涼は2007年にスタート。例年、大学生がボランティアとして活動し、文化財の解説のほか、パンフレットの配布や書籍の販売補助などを行っている。昨年は2日間で延べ約100人が参加した。

11度目の今年は10月21、22の両日、同市と常陸大宮市で開かれ、神社や仏閣など30カ所で仏像や古文書などを公開する。 (長洲光司)

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