2017年9月13日(水)

笠間の図書館、日本一 貸し出し数、5年連続

住所や冊数、無制限奏功

自動貸出機を使い一度に何冊も本を借りる利用者=笠間市石井の笠間図書館
自動貸出機を使い一度に何冊も本を借りる利用者=笠間市石井の笠間図書館

笠間市は人口8万人未満の市区で、図書館の貸し出し数が5年連続日本一となる快挙を達成した。市立3館で2015年度、本など計115万9千点を貸し出した。1回の貸し出し点数に制限を設けず、司書が本の魅力を伝える企画を展開するなど利用促進策が奏功。鈴木武笠間図書館長(59)は「使いやすく、開かれた図書館を目指してきた」と話し、一層の利用を呼び掛けている。

笠間市立図書館は笠間、友部、岩間の計3館で構成する。本にDVDなどの視聴覚資料を含めた資料総数は、水戸市、日立市に次ぐ県内3番目の約57万2千点と充実している。

貸し出し数や順位は、15年度の実績をまとめた日本図書館協議会の17年版「図書館年鑑」に基づく。

笠間市の貸し出し数は、13年版(11年度実績)で133万6千点で1位となって以降、首位を堅持してきた。人口減少などの影響で徐々に貸し出し数は減っているが、17年版は2位の兵庫県三木市に24万点以上の差をつけ、全国107市区のうち1位となった。貸し出した115万9千点は、10万人未満の市区で見ても東京都稲城市に次ぐ3位に相当する。

貸し出し数が多い理由の一つは「利用者の住所を制限していないこと」(鈴木館長)。図書館の関係費は市税などで賄われ、通常、住所を地元自治体か周辺地域に限定している。県内で無制限なのは笠間を含む4市町に限られる。市民以外への貸し出し数は3割近くに上り、水戸、桜川、城里といった周辺市町のほか、隣の栃木県も目立つ。

1回当たりの本の貸し出し数にも上限を設けていない。通常は点数が限られる中、笠間市図書館では、貸し出しの手続きで本を山積みにする利用者の姿も目立つ。スムーズに手続きできるよう、利用カードで認証する自動貸出機を全3館で導入している。

笠間図書館で15冊借りた笠間市福原、主婦、山見智美さん(43)は「興味のある本を取捨選択せずに借りられるのはうれしい」と語る。

司書らによる利用促進の努力も大きい。小学校1年生に図書館への招待状を送り、来館の際に特製しおりや図書館の使い方をまとめた冊子などを贈る企画「図書館1年生」を11年にスタート。県内でも珍しい取り組みという。

本の紹介にも力を入れており、1〜2カ月に1回、特集コーナーを設置。「山の日新設」「トランプ米大統領誕生」など時事や流行に合った本を借りやすいよう集約する。会員制交流サイト(SNS)では新刊の蔵書などを積極的にPRしている。

笠間図書館司書の臼井里恵さん(43)は「本に興味を持ってもらうのは、司書の使命の一つ」と強調する。

18年版に収録予定の16年度実績は110万5106点で、前年より5万点以上減少するものの、6年連続1位を視野に入れる。鈴木館長は「アイデアを出し合い、10年、20年とトップを維持したい」と意気込んでいる。 (今井俊太郎)

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