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高萩市、徘徊高齢者の捜索訓練 早期発見、保護を

徘徊高齢者役に声を掛け、市に連絡する市民=高萩市島名
徘徊高齢者役に声を掛け、市に連絡する市民=高萩市島名


高萩市は26日、認知症などによる不明者の早期発見、保護のための「徘徊(はいかい)SOSネットワーク」の模擬訓練を行った。行方不明者役が市内を歩き回り、一般住民や事業所、高萩署などの協力で情報の発信と収集訓練を実施。同ネットワークの周知や認知症などへの理解を図った。

初めて実施した昨年は、同ネットワークのPR不足などが課題として挙げられたことから、「声かけ訓練実施中」ののぼり旗を掲げ、チラシの配布やショッピングセンターなど人の集まる場所を回って訓練とPR活動に取り組んだ。

訓練は毎朝散歩する60代の女性が帰宅せず、家族が近所を見回ったが見つからず、高萩署に相談して市高齢福祉課に届けた。同課職員が家族から女性の特徴など情報を聞き取り、防災行政無線や地元のFMラジオ、ライン、会員制交流サイトで流す許可を得て、市内の約90の協力事業所などに伝えて情報提供を求めた。

行方不明者役の在宅介護支援センター職員は、上下黒い服にオレンジ色のベストを着けて各地の住宅街や商店街などを歩いた。買い物中の主婦や公民館活動中の住民らが声を掛け、市や警察署に連絡した。

車で通り掛かった農協職員の長山さよ子さん(61)は「防災無線で聞いた。声を掛けるタイミングの練習になるので訓練は重要」と訓練の必要性を話した。

同課の伊藤昭吉課長は「高齢者が安心して住み慣れた地域で暮らすには地域の事業者や市民の協力がとても重要。訓練を継続してネットワークの周知と認知症への理解を深めたい」と話した。 (飯田勉)

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