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坂東で秋山桑人さん企画展 絵巻に郷土の偉人業績

郷土の偉人の活躍を描いた絵巻物作品=坂東市山
郷土の偉人の活躍を描いた絵巻物作品=坂東市山


常総市出身の画家で郷土の絵を多く残した秋山桑人さん(1914〜2008年)にスポットを当てた企画展が、坂東市山の坂東郷土館ミューズで開かれている。坂東市の偉人とされる平将門や中山元成に加え、つくばみらい市出身で江戸時代の探検家として知られる間宮林蔵のそれぞれの業績を描いた絵巻物を目玉に、200点以上を展示している。24日まで。

同館によると、秋山さんは常総市に生まれ育ち、同市内で仕事をしながら生涯を通して絵を描き続けた。元は洋画中心だったが、後に日本画にも取り組んだ。郷土の歴史や民俗、風景や人々の営みに関する作品が多い。

平安時代の武将、平将門の生涯を描いた「平将門公一代絵巻」は全3巻。合計して長さ約22メートルに及ぶ大作で、将門の活躍や戦の様子を大迫力で表現している。

「中山茶顛翁一代絵巻」は、江戸から明治にかけ猿島茶の発展に尽力した中山元成が、猿島茶をお茶としては日本で初めて世界に輸出した功績を臨場感たっぷりに描く。間宮海峡を発見した間宮林蔵の絵巻は、巻物としてつながっていない10面で計13メートル60センチ。厳しい探検の様子を色彩豊かに表している。

このほか、常総市の一言主神社で行われる民俗芸能「大塚戸の綱火」の情景を描いた「大塚戸花火絵巻」、クリーニングを施し制作当時の色合いを取り戻した天女の板絵など、大小さまざまなふすま絵や油彩画、挿絵が楽しめる。

同館の板垣隆館長は「今回初めて公開される作品が多いのでこの機会にご覧いただきたい」と話した。千葉県野田市の鈴木干夫さん(74)、和江さん(65)夫妻は「将門の絵巻物をまとめて描いていたのは初めて知った。壮観で素晴らしい」と喜んでいた。(小原瑛平)

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