2017年12月12日(火)

「真弓トンネル」再浮上 常陸太田-日立間、合併特例債を活用

常陸太田市と日立市を結ぶ「真弓トンネル」(仮称)の整備構想が再浮上している。計画は茨城県が20年前に事業着手したものの、100億円を超える事業費や地元の一部反対などがあり、事実上15年近く休止したままだった。県は両市による合併特例債の活用を想定し、今年、両市から事業化の要望を受けて事業再開を検討。両市の特例債の起債期限が迫る中、県は事業の調査費を含めた補正予算案を開会中の県議会に提出しており、議会の承認を受けて計画を前進させたい考え。

県によると、真弓トンネルは常陸太田市の市街地と日立市の「山側道路」を結ぶ県道日立-笠間線(山地部分の一部は通行止め)を約1・6キロのトンネルで貫き、両市の往来をスムーズにする狙い。同県道の真弓ルートとして1997年度に事業に着手した。

県は翌98年度からトンネルの予備設計や地質調査を行ったが、膨大な事業費などがネックとなり、2001年度以降は事実上事業がストップしていた。

その後、県は国道293号常陸太田東バイパスや、バイパスから真弓ルートに向かう同県道亀作ルートなどトンネル予定地の周辺道路を整備してきた。

今年4月になって、両市長はトンネル整備を知事に要望。合併特例債を活用する場合、7年後の24年度が特例債の起債期限となることから、事業化へのタイムリミットが迫っている。このため県は開会中の第4回県議会定例会に、環境調査や道路予備設計などの費用約4億円を含む補正予算案を提案した。

合併特例債は「平成の大合併」で合併した新市に有利な起債(借金)として認められている。12年11月に供用開始した石岡市(旧八郷町)と土浦市(旧新治村)を結ぶ「朝日トンネル」(トンネル部分約1・8キロ)は、長らくストップしていた事業を特例債の活用で再開し実現した。

朝日トンネルはもともと県の事業だったが、約55億円の事業費に両市の特例債や国の交付金を充てた。石岡、土浦両市は合併した相手同士ではないものの、広域的な地域振興につながるとして特例債を活用。調査設計や工事は県が受託して事業を進めた。

合併特例債の活用は市の事業に限定されるため、県道を市道として認定し、「新市建設計画」にトンネル整備を盛り込む必要がある。その上で、県が合併支援事業として対象路線に指定し、市の負担の一部を助成する。

石岡市(旧八郷町)と桜川市(旧真壁町)を結ぶ「上曽トンネル」(トンネル部分約3・5キロ)も、同じ仕組みで事業再開に向けた動きが進んでいる。

真弓トンネルについて、今月8日の県議会一般質問で、富永幸一県土木部長は「日立市と常陸太田市の交流促進など、大変大きな効果が期待できる。ルート実現に向け、両市とともに最大限努力したい」と答弁した。 (黒崎哲夫)

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