2017年12月30日(土)

アライグマ捕獲激増 ペットが野生化、天敵なし

県南西地域 民家や農作物に被害

捕獲されたアライグマ(県自然博物館提供)
捕獲されたアライグマ(県自然博物館提供)

外来生物法で特定外来生物に指定されているアライグマの捕獲頭数が県内で激増している。県によると、2016年度の捕獲頭数は8年連続で増え、前年度から131頭増の419頭と過去最多を更新。県南西地域を中心に生息域を広げており、民家や畑などで被害拡大の恐れが増す。ペットから野生化して繁殖を繰り返しているほか、南関東からの北上も要因とみられている。県は市町村と防除対策に力を入れる方針だ。


県環境政策課によると、県内の捕獲頭数は右肩上がりで、詳しく統計を取り始めた08年度の5頭から80倍以上に増加した。

捕獲地域は、県南西地域を中心に22市町と広範囲にわたる。昨年度はかすみがうら市の114頭が最も多く、坂東市89頭、常総市37頭、石岡市34頭と続いた。

同課は本県に定着した理由について「霞ケ浦や鬼怒川、利根川など水辺のある地域が多く、湿地や耕作放棄地など生息しやすい環境も一つ」と分析。捕獲頭数が多い千葉、埼玉、神奈川の南関東から北上の可能性も指摘する。

駆除されたアライグマを引き取り、食性や繁殖状況などの分析を行う県自然博物館(坂東市)は「繁殖力が強い上、日本には天敵もいない。自然界で増えていると考えるのが普通」との見方を示す。

県内自治体で、捕獲頭数が最も多かったかすみがうら市では、本年度の捕獲頭数は20日現在、昨年度と同じ114頭に達した。市農林水産課の担当者は「家に住み着いたアライグマを駆除するケースが増えている」と語る。

県農村環境課によると、県内で人的被害は確認されていないが、15年度には常総市でブドウやネギ、ハクサイ、ナスなどの農作物被害が確認されている。

同市で10年ほど前から駆除に関わる農業男性(68)は「人間が食べるものは何でも食べてしまう」と話す。200本植えたトウモロコシが5本しか残らなかったこともあり、アライグマの増加による被害拡大に危機感を募らせる。

今年、男性が捕獲したアライグマは5頭。例年に比べれば少ないものの「徐々に賢くなり、わなをかいくぐっているのではないか」とみる。

防除実施計画を策定している県は「生態系や人の暮らしに重大な影響を与える外来種であり、市町村と連携し、捕獲による駆除を強化していく」としている。

(松崎亘、石川孝明)

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