2018年1月10日(水)

返礼に「実家見守り」 ふるさと納税、自治体の導入増

親の健康や墓、空き家管理

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ふるさと納税の返礼品に「実家見守り」を導入する自治体が全国で増えている。離れて暮らす高齢の父母の健康管理や安否確認、墓の清掃、所有する空き家の維持管理などを、寄付者に代わって行う内容。自治体間の返礼品競争の加熱などが問題視される中、実家から離れて暮らす人たちの需要を見込んだ返礼サービスとして県内でも徐々に導入が広がっており、空き家問題解消の一助としての期待もある。(行方支局・三次豪)

■廃屋にならないよう
石岡市は昨年10月、「空き家見回りサービス」を返礼品として導入した。市内の空き家の所有者で、管理が難しい人に代わって石岡地方広域シルバー人材センターの会員が空き家を見回り、ごみ拾いなど簡単な敷地内の清掃と、空き家や庭木の状態などを報告する。市管財課は「廃屋にならないよう、きちんと管理してもらうきっかけにしてほしい」と期待する。

下妻市の返礼品「ふるさと支援代行サービス」は、寄付者が市内に所有する墓の清掃(献花付き)や、高齢で作業ができない家などの庭の草取り、ふすまや障子の張り替えなどを行う。那珂市でも、部屋の掃除などを行う返礼品「親孝行代行サービス」があり、清掃前と作業後の写真を寄付者に送るサービスもある。

■宅配時に異変確認
「離れてお住まいのご両親や身内の方の日々の生活がご心配ではないですか?」との宣伝とともに、昨年12月に行方市が導入した返礼品は、宅食サービスを全国展開する「ワタミ」(本社・東京都)の弁当宅配。配達員が「見守り隊」となって市内の高齢者宅に日替わり(週5日)で弁当を配達する。

配達員は訪問時に高齢者の健康状態などを確認し、異変などに気付いた場合は市に連絡する。弁当の内容も1万5千円の寄付による「まごころ御膳」(週5日で2週間分)などがあり、メニューも多品目や減塩などがある。

同市も高齢化が深刻化している。同サービス以外に「実家見守り」を返礼品に加えることも検討しており、市総合戦略課は「どうしても都合で実家を離れざるを得ない人たちに、ふるさとへの気持ちをずっとつないでいてもらいたい」とする。

■地域の課題解決へ
返礼品を巡っては、全国的に自治体間でのふるさと納税の獲得競争が過熱し、特産品や名産品だけでなく高額な家電品や商品券にまで発展した経緯がある。総務省が問題視して是正を求め、返礼品の額を昨年4月には寄付額の3割以下とする目安を設定した。

2014年度には、関東1都6県の自治体で最も多い寄付数だった石岡市は、特産の牛肉や豚肉、コシヒカリが並ぶ返礼品のリストに、「空き家見守りサービス」を新たに追加した。

同市管財課は「空き家問題が課題で、地域の課題解決のためにふるさと納税を活用するという総務省からの指導に合っている」とし、「始まったばかりでまだ申し込みはないが、先行事例としてほかの自治体にも広がり、空き家問題などの改善につながっていくことを期待したい」と話した。

★ふるさと納税
生まれ故郷など応援したい都道府県や市町村にお金を寄付すると、2千円の自己負担を除いた分が、所得税や居住地の住民税から軽減される制度。人口の多い都市部に集中する税収の偏りを是正するのを狙いに2008年に創設された。

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