2018年1月13日(土)

大洗、防潮堤年度内4割完成、着工1年 漁港周辺も建設へ

大洗マリンタワーなどの観光施設の海側に築かれた防潮堤=大洗町港中央
大洗マリンタワーなどの観光施設の海側に築かれた防潮堤=大洗町港中央

東日本大震災の津波被害を受けた大洗町沿岸の防潮堤建設は、茨城港大洗港区内の工事が始まって1年が経過し、本年度内に計画全体の約4割が完成する見通しになった。同港区の観光施設が集まる地区ではほぼ完成し、北側の漁港周辺で建設を始める計画。さらに北側のホテルや旅館が集まる地区では、建設に向けた地元との調整が続いている。


県茨城港湾事務所大洗港区事業所によると、同港区の防潮堤建設は2016年12月に始まった。大洗シーサイドステーションや大洗マリンタワー、めんたいパーク大洗などの集客施設が並ぶ同港区内の一部が完成し、北側の漁港周辺でも年度内に工事を始める。

防潮堤は、数十年から百数十年に1度の頻度で発生が予想されるL1津波を想定し、海抜約4・5メートルになるよう2メートル前後の高さで整備している。漁港内は海上防波堤の一部を活用して海抜6メートルまでかさ上げし、港への船の出入り口となる部分に幅約20メートルの水門を設ける。

また、同港区北側のホテルや旅館が並ぶ「宮下地区」の海岸沿いにも防潮堤を整備する計画で、地元との協議が続いている。

同地区の当初計画は、遊歩道沿いの既存の護岸を海抜約6メートルになるよう、高さ約2・2メートルまで約1・5メートルかさ上げする内容。同地区内からは、かさ上げによってホテルや旅館などの1階部分からの眺望が悪くなると指摘する声が出たため、地元町内会で組織する検討委員会が代案作りを進めている。

検討委は「防災と景観保全を両立できる案を作りたい」としている。

県は宮下地区を含めた防潮堤の20年度末までの完成を目指す。同事業所の担当者は「安心安全な県民生活のためにも、計画を断念することはないが、きちんと地元と話し合いたい」と強調する。  (鈴木剛史)

★大洗町の防潮堤

2011年3月11日の東日本大震災で、大洗町は町域の約1割が浸水するなどの被害に見舞われた。これを受けて県が津波・高潮対策の一環として整備を進めている。区間は、大洗サンビーチから大洗磯前神社の神磯鳥居付近までの沿岸約4・3キロ。大洗サンビーチの約900メートル区間は17年夏に完成。茨城港大洗港区内の約2・9キロ区間の工事が進む。ホテルや旅館が並ぶ宮下地区約500メートル区間は建設に向けて地元と協議中。

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