2018年2月2日(金)

「漫画 君たちはどう生きるか」作画 羽賀翔一さん(つくば出身)

計210万部の大ヒット 原作注目され、うれしい

「漫画 君たちはどう生きるか」を作画した羽賀翔一さん=都内
「漫画 君たちはどう生きるか」を作画した羽賀翔一さん=都内

約80年前に発表された吉野源三郎著の児童書を漫画化した「漫画 君たちはどう生きるか」(マガジンハウス)が昨年8月下旬の発行から2月1日現在、170万部を突破した。出版不況の時代に、同時に発売された原作の新装版と合わせると計210万部の異例の大ヒット。漫画化に挑んだつくば市出身の漫画家、羽賀翔一(はがしょういち)さん(31)は「ずっとこの本を大切にしていた方がいたから今こうして瞬間的に広がったのだと思うが、またこうして原作が注目される機会をつくれたことはうれしい」と話す。

1937年に世に送り出された物語は、中学生の「コペル君」と、近所に住む「叔父さん」の交流を描きながら、「人はどう生きるか」を問い掛ける。

羽賀さんの過去の作品を読んでほれ込んだ編集者からの推薦で漫画化を引き受けたものの、当初は先人が残した名著を再構築することに葛藤したという。

「原作から離れすぎず、かつ漫画として面白い作品を」と試行錯誤を重ね、完成まで2年以上を要したが、主人公が物語の中で感じたような子どもの頃の苦い思い出や母子家庭である境遇が自身に重なって、「コペル君の感情に近づこう」と思ってからは気持ちに整理がついた。

小さい頃から絵を描くことが好きで、小学3年で藤子不二雄の「まんが道」に出合い漫画家に憧れた。都内の私立大学では国語の教職を取り、母校の土浦二高(土浦市)で教育実習もするなど一時は教師を志したが、漫画はこつこつ描き続け、大学4年の秋に初めて完成させた作品で賞を獲得すると夢への道を開いた。

初の単行本「ケシゴムライフ」では高校の通学路の風景が描かれるなど、地元で過ごした時間は作品の糧になっている。また、母親が保育園で働いていることやかつて教師を目指したことなど「自分が経験してきたものが一つ一つつながって作品に影響を及ぼしている」と実感を込める。

大学を出てから現在まで、人気作品「宇宙兄弟」の作者・小山宙哉さんのアシスタントを続けている。多忙な日々を送るが、「一貫して書きたいなと思うのは人。いろんな形の人間関係や人生を描きたい」と創作の意欲を燃やし続けている。(杉野碧)

「原作が注目される機会をつくれたことはうれしい」と話す羽賀翔一さん=都内
「原作が注目される機会をつくれたことはうれしい」と話す羽賀翔一さん=都内

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