2018年2月12日(月)

J2水戸に40歳練習生、Jリーガー志願 夢追い続ける

安彦考真さん、チームに必要な存在追求

練習で汗を流す安彦選手=水戸市水府町
練習で汗を流す安彦選手=水戸市水府町

サッカーJ2水戸ホーリーホックの沖縄キャンプに、40歳でJリーガーを目指す選手が参加している。練習生の安彦(あびこ)考真(たかまさ)さん。「チームに必要な存在とはどういうものか徹底的に追求したい」と独自の選手像を掲げ、夢を追い続けている。

子どもの頃からプロ選手が夢だった安彦さん。神奈川県内の高校を卒業後、ブラジルに渡り、現地のチームでサイドバックとしてプレーしたことがある。1998年、20歳でグレミオ・マリンガFCと念願のプロ契約を結んだが、直後に膝の靱帯(じんたい)を損傷し契約が白紙に戻された。21歳で失意の帰国。けがを治してJクラブの入団テストに臨んだがかなわず、夢を諦めた。

その後はジーコの兄、エドゥの下でサッカーセンター設立に携わり、通訳兼選手として活動。2003年から3年間、大宮アルディージャで通訳を務めた。13年に「自分の力でサッカー界に貢献したい」と独立し、高校のスポーツディレクターなどを務めた。

そんな中で転機が訪れる。発達障害がある子どもたちを指導した時、子どもたちの何にでも前向きな姿勢に心を動かされた。「僕は人生の後悔を取り返しに行こう。やりたいことに忠実になろう」。いったんは諦めた夢にもう一度、向き合うと決めた。

夢への第一歩として昨夏、関東リーグ1部のチームに入団。体を鍛え直すための費用をクラウドファンディングで募ると、1カ月で目標を超える額が集まった。「お前の生き方を応援するよ」という反響に驚き、同時に感謝。9月からジムに通いながら入団できるプロチームを探した。

縁があったのが水戸だ。大宮時代に選手としてプレーしていた水戸の西村卓朗強化部長に、「ぜひ俺を使ってみてくれ。チームにプラスになることを提供できる」と相談すると、1月から練習生として受け入れてくれた。

水戸では、FWとして全力プレーを見せているほか、新加入選手が多いチームの中でひときわ声を出し、コミュニケーションを活性化。「ベンチにいるだけで存在感のある選手もいてもいい」とメンタル面での貢献を心掛ける。今季は2人のブラジル人選手が加入したこともあり、ポルトガル語が堪能な安彦さんが果たす役割は大きい。

当初1週間の予定だった練習への参加は2週間に延長された。さらに13日までの沖縄キャンプに参加が許された。

たとえ水戸でプロ契約できなくても夢は追い続ける。ただ「水戸でたくさんの仲間ができた。ここでプレーできたら本当にうれしい」。自らの価値を精いっぱいアピールしている。(藤谷俊介)

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