2018年2月13日(火)

大洗水族館にイルカ繁殖用プール整備へ 飼育数の先細り懸念

追い込み漁から購入禁止

イルカは「オーシャンライブ」でも人気=2017年7月、大洗町磯浜町のアクアワールド県大洗水族館
イルカは「オーシャンライブ」でも人気=2017年7月、大洗町磯浜町のアクアワールド県大洗水族館

県がアクアワールド県大洗水族館(大洗町)に、イルカの繁殖用プールを整備する方針を固めたことが12日、関係者への取材で分かった。和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲された個体については、日本動物園水族館協会(東京都)が購入などを禁止し、新たなイルカの入手が困難になっているため。購入や繁殖が不可能な状態が続けば、飼育数の先細りが懸念され、人気のイルカショーの継続にも影響しかねないとして、繁殖に乗り出す考えだ。

現在、同水族館にはイルカ繁殖用プールがなく、イルカの入手は太地町での漁や漁網に掛かった個体などを購入してきた。県は2018年度当初予算案に、繁殖用プールの新設に向けた設計費と、02年3月のリニューアルから16年が経過するのを受けた水族館本体の改修費用を含め、計数億円程度を盛り込む方針だ。

同水族館は現在、イルカ8頭を飼育。イルカとアシカが演技を繰り広げる「オーシャンライブ」を目玉の一つとし、来館者数が年100万人を超す県内有数の人気施設となっている。

同水族館によると、イルカ8頭の種類はバンドウイルカ4頭、オキゴンドウ3頭、カマイルカ1頭。カマイルカは京都府内の水族館から譲り受け、他の7頭は1997〜2007年にかけて、太地町漁協やその関係施設から購入した。

同水族館は02年のリニューアル以降、13頭のイルカの妊娠を確認したものの、死産や流産などを含めて繁殖に成功していない。専門の繁殖用プールを整備すれば、展示施設とは別の静かな整った環境で親の飼育や子どもの育成が可能となる。

イルカの飼育期間は、一般的に捕獲から最大で30年程度とされる。同水族館では現在、飼育歴が最長のバンドウイルカで約20年、最も短いバンドウイルカで約10年となっている。

世界水族館動物園協会(WAZA)は15年、太地町でのイルカ追い込み漁を「残酷」と批判し、日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を一時停止。JAZAは、追い込み漁で捕獲したイルカの購入を会員施設に禁止し、資格を回復させた経緯がある。

会員施設の中にはイルカの安定的な確保を目指してJAZAを脱退する動きもある。大洗水族館は会員にとどまる方針のため、イルカの入手に関しては「野生からの補充は難しく、事実上、繁殖以外の手段がなくなっている」(同水族館)としている。 (黒崎哲夫、鈴木剛史)

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