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倭文織、コウゾ蒸し上げ 那珂の継承グループ、糸作りへ

蒸し上がったコウゾを取り出す会員=那珂市静
蒸し上がったコウゾを取り出す会員=那珂市静


草木を素材にした古代の倭文織(しづおり)を復元し、継承する活動に取り組んでいる那珂市の倭文機(しずはた)グループ「手しごと」(田中良治会長、13人)のコウゾの蒸し上げが20日、同市静の静峰ふるさと公園で行われた。コウゾを素材にした倭文織は同グループを含め全国に4カ所あるという。

コウゾの蒸し上げは例年、1月の大寒前後に行っているが、今年はコウゾの成長が遅れ、この時期にずれ込んだという。

作業には、田中良治会長(78)ら会員12人が参加。同公園内にある畑からコウゾを刈り取り、約3メートルの長さに束ねた。コウゾは外側をビニール袋などで覆い、ドラム缶を再利用して作った専用の蒸し器に入れた。蒸し器はプロパンガスを使って水を沸騰させ、約200本ずつ2回に分けて2時間半以上かけて一気に蒸し上げた。蒸し上がったコウゾに水を掛け、2人一組になって皮を剥いだ。

コウゾの皮は、簡単に剥がれ、黄色みを帯びた芯が露出。それらを下江戸地区の那珂川まで車両で運搬し、川の水を使って付着していた不純物を洗い流す作業などを行った。

材料のコウゾは、1日程度天日で乾燥して保存。適宜に糸にするという。新しい糸は新年度から使い始める予定。同会ではこの糸を織って作った布やブックカバー、短冊など本年度の試作品を展示する試作品展を27日まで、本拠地のある同市古徳町の総合センター「らぽーる」のロビーで開いている。3月中旬には東京都内へ製品や見本の布を持ち込んで販路開拓を目指す。 (萩庭健司)

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