2018年4月23日(月)

ワイン醸造の牛久シャトー 日本遺産認定目指す

月内にも現地調査 甲州市と連携

日本遺産への認定を目指す牛久シャトー。国の重要文化財にも指定されている=牛久市中央
日本遺産への認定を目指す牛久シャトー。国の重要文化財にも指定されている=牛久市中央

地域の有形、無形の文化財をテーマでまとめる「日本遺産」について、牛久市は、同市中央のワイン醸造遺産「牛久シャトー」の認定を目指し、機運の醸成を図っている。国内初期の醸造施設がある山梨県甲州市と連携し、ワイン製造遺産として1月下旬に国に申請。今月中にも文化庁のヒアリングを受け、5月にも審査結果が公表される。市は、認定されれば市のイメージ向上や観光に大きく貢献するとみており、「ワインの里をアピールできれば」と期待している。

両市の申請時のタイトルは「日本ワインの歴史ロマン薫る風景 近代化と先人たちのワイン醸造140年」。主な文化財は、牛久市が牛久シャトーの旧醸造施設、創業者の墓跡、トロッコ軌道跡など。甲州市が新旧30のワイナリー、明治期の旧醸造施設など。ともに日本のワイン醸造の黎明(れいめい)期を支えた。

共同申請は牛久市側から甲州市側に打診し、昨年5月に合意。両市は協議会を設置し、申請に向け文化財の内容を話し合ってきた。

牛久市文化芸術課は「共同申請により、日本ワインの黎明期を支えたまちという日本遺産の物語をより明確に描ける」と説明する。

同市は認定に取り組むため、2018年度予算に協議会負担金を含め287万円を計上。両市は、牛久シャトーフェスタで甲州ワインを販売したり、牛久から甲州市へのバスツアーを行ったりと、機運の醸成を図ってきた。

牛久シャトーは、日本初の本格的ワイン醸造場。神谷傳兵衛(でんべえ)が1903年に牛久醸造場として創業。近代化された工場で、ワインを大量生産した。旧醸造施設3棟は国の重要文化財に指定された。シャトー内には約千本のブドウの木があり、昨年は約2トン、約2千本のワインを製造した。

所有するオエノンホールディングス(東京)の牛久シャトーカンパニー、川口孝太郎物販部長兼営業推進部長は、日本遺産が観光振興につながる可能性があることを指摘した上で、「もともと観光施設として活用されており、一定の集客が見込める。茨城空港もあるので外国人客の集客にも利点がある。両市は圏央道の開通で行き来がしやすくなった」と強調した。

一方の甲州市は勝沼町地区の「甲州ワイン」や「勝沼ワイン」の産地として知られる。1877年に日本初の民間ワイン醸造会社が設立された現在の宮崎葡萄酒醸造所や、明治時代に建設された近代化産業遺産で、ワイン醸造器具を展示する「宮光園」などの文化財がある。

日本遺産は歴史的建造物や伝統芸能といった有形、無形の文化財をテーマや地域ごとに一括認定する。これまで計54件が認定された。県内では、旧弘道館のある水戸市が3県3市と共同申請した「近世日本の教育遺産群」が2015年に認定された。(綿引正雄、秋葉凌)

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