2018年4月30日(月)

不登校・引きこもり経験、若者ら計画 障害者就労支援へ農場

桜川 耕作放棄地借り転換

ロゴマークについて話し合う「リブート」のメンバーら=筑西市
ロゴマークについて話し合う「リブート」のメンバーら=筑西市

引きこもりや不登校を経験して精神疾患を抱える若者たちが、耕作放棄地を福祉施設の農場に転換するプロジェクトを進めている。障害者の就労訓練に農業を取り入れる「農福連携」の考え方で、桜川市の耕作放棄地2カ所を借り、資金を集めながら、参加する施設を募る方針だ。

メンバーは20〜30代の男女6人。若者の就労を支援する「いばらき県西若者サポートステーション」(サポステ)の利用者だ。多くが引きこもりや不登校を経験し、精神疾患などを抱えている。

計画は、筑波大の茂呂雄二副学長(学習心理学)と同大院生2年、北本遼太さん(27)が企画段階から支援してきた。2人は研究の一環でサポステに携わる中で、メンバーと知り合った。2人に背中を押される形で、メンバーは「自分たちのような社会的弱者が社会的弱者を支援する」をスローガンに掲げ、1月に始動。グループの名を、英語で「再起動」を意味する「Re:boot」(リブート)とした。

メンバーは、3月まで毎週のように議論を重ねてきた。その結果、地域の課題の耕作放棄地に着目。まず自分たちの手で耕作放棄地を借りて作物を栽培する。次に障害者就労支援施設の農場に転換する構想をまとめ上げた。

4月上旬、筑西市立中央図書館。メンバーのうち4人が集まり、グループのロゴマークを検討した。デザインは空の青色と土の茶色、農作物の緑色が基調。この日は四つの案に絞り込み、後日、投票を行って決めることにした。新メンバーやボランティアを募り、規模を拡大させることも確認した。

農場は、最終的に、障害者と雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型事業所」を目指す。ハードルは高いが、活動の中で地域住民と交流しながら、町おこしにつなげる夢がある。

資機材購入などに必要な資金はクラウドファンディングで募り、7月を目標に、計画発表のイベントを開く予定という。

実現に向けメンバーの気持ちは前向きだ。大場久子さん(32)は「今も精神的につらいがメンバーに支えてもらっている。(障害者と)同じ目線の私たちだからこそつくれるものを探したい」と話す。

茂呂副学長は「成功体験が少なく、一歩踏み出すことを恐れていた若者が助け合って成長できれば、自己肯定感が高まる」と計画に期待を寄せる。 (斉藤明成)

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