2018年5月16日(水)

地元保全団体が発刊 小美玉の生物、一冊に

動植物の生態紹介 活動20周年、調査集大成

発刊された「小美玉市の生物」。小美玉生物の会の桜井浩会長(左)と海老澤悦子副会長
発刊された「小美玉市の生物」。小美玉生物の会の桜井浩会長(左)と海老澤悦子副会長

動植物の保全を目的に、小美玉市で毎月自然観察を行っている「小美玉生物の会」(桜井浩会長、会員28人)が、市内の植物や鳥、昆虫などの種類や分布をまとめた「小美玉市の生物」を発刊した。「美野里生物の会」から数えて活動20周年を迎える同会の地道な調査の成果で、古里に生息する動植物の生態を詳しく紹介している。


前身の美野里生物の会は1997年に設立。旧美野里町内の生物の種類や分布の調査を通して、自然環境の保全に向けた自主的な活動を続け、故・大地洸初代会長の下、「みのりの自然」を発刊した。その後、美野里、小川、玉里の3町村合併に伴い、名称を変更し、調査範囲を市全体に拡大して活動を継続している。

「小美玉市の生物」は、3章212ページで構成され、全生物を会員が撮影した写真付きで見やすく示し、全ての生物目録が掲載されているのが特徴だ。

第2章では同市の生物について植物、哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類、両生類、魚類、貝類、昆虫類、その他に分け、会員が撮った写真と解説付きで紹介している。昨年10月、県内で初めて確認された外来種「ムネアカハラビロカマキリ」も掲載された。

また、2006年、水田脇の土手で発見された見慣れない植物は、全国でも数例しか確認されていない「ヤナギフナバラ」と分かり、自生地の持ち主の協力で、会員が草刈りなどの保全活動を継続中。市内で確認されている9種類のアメンボのうち3種類は、絶滅の恐れがあるとして国や県のレッドデータブックにも記載されている。「みのりの自然」で観察記録をまとめた「ホソミオツネントンボ」は、その後の観察調査で分かった冬の生態について詳細に紹介している。

発刊に当たっては、ヒヌマイトトンボの発見者として知られる県環境アドバイザーで日本昆虫学会会員の広瀬誠さん、同アドバイザーで日本植物分類学会会員の安昌美さん、日本野鳥の会県会長の池野進さんの3人が監修を担当した。

桜井会長は「小美玉市には豊かな平地林があり、調査協力者にも恵まれ、大きな成果を残すことができた。里山環境が多く残り、身近に自然が広がるこの地域に、多くの生き物が暮らし、貴重種も数多くいることが分かった」と話す。

今回500部を印刷し、関係者らに配布した。希望者には1冊千円(税込み)で販売する。詳しくは桜井会長(電)090(2650)2026か同会ホームページ。(高畠和弘)

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