2018年5月24日(木)

ウナギ高騰 「丑の日」打撃? 稚魚不漁、う〜難儀

茨城県内専門店 値上げ、メニュー工夫も

うなぎを焼く店主=笠間市笠間
うなぎを焼く店主=笠間市笠間

ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」の不漁の影響で、養殖した成魚の価格が上昇している。国内の専門店で出回る品の9割以上は養殖で、茨城県内では値上げを余儀なくされる店もあり、経営者に困惑が広がっている。夏の土用の丑(うし)の日に向け、消費者の手の届く「庶民の味」になるかは不透明な状況だ。

日本養鰻(ようまん)漁業協同組合連合会によると、養殖業者の成魚の販売価格は3月11日以降、主流サイズの「1キロ5匹」で5300円と高止まりしている。2017年の約1・5倍で、最高値だった13年8月〜14年5月の5200円を上回った。

同連合会の担当者は、稚魚の不漁が一因とし、成魚の今後の価格について「何とも言えないが、買い控えなど消費者の動向、中国や台湾からの輸入(量)によっては下がる可能性もある」と話す。

水戸市の専門店、大川楼では昨年9月と今年3月の2回値上げをし、うな重「竹」は従来より1300円高い4500円に設定。売れ筋は「竹」より安い「梅」に変わった。店主の大川邦義さん(73)は「店を続けるために値上げすると、客足が遠のくという悪循環になっている」と嘆く。

差別化のため低価格にこだわってきた県央地域の別の店でも3月、約2割の値上げに踏み切った。2代目の男性店主(37)は「父の代から続いた値段を変えることになり、心苦しい。できれば早く戻したい」と成魚の価格安定を願う。

各店、経営維持へ値上げ以外の工夫も施している。笠間市の「鰻(うなぎ)麦とろ量深(りょうしん)」では、購入する成魚を「1キロ5匹」から比較的安い「1キロ4匹」に変更。値上げはしつつも、うなぎの量を増やし、お得感を増した。さらに、うなぎ半身を乗せた手頃な2500円のうな重をメニューに追加、新規客開拓を目指している。

水産庁の統計では、18年漁期(17年11月〜18年4月)の養殖池に入れられた稚魚(池入れ量)は14・0トン。統計資料上、13年に次ぐ少なさで、前年同期比で約3割(5・5トン)減った。同連合会の説明では、稚魚1キロの取引価格は17年平均の3倍の300万円超に達することもあったという。

今回の不漁を巡り、同庁は「日本に(稚魚が)遡上(そじょう)する時季が遅れ、2月に入って取れ始めた」などと解説している。 (今井俊太郎、吉原宗康、海老沢裕太郎、露久保翔)

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