茨城県立高入試 デジタル採点、模擬実験 那珂高で教員ら手順確認

デジタル採点シミュレーションで正答が表示された画面=那珂市後台の県立那珂高
デジタル採点シミュレーションで正答が表示された画面=那珂市後台の県立那珂高
茨城県立高入試で初めて光学的文字認識(OCR)を使ったデジタル採点が導入されるのに伴い、那珂市後台の那珂高(庄司一裕校長)で採点シミュレーションの一部が公開された。同校の教員らは、専用ソフトが判定した選択式問題の答案の正誤の再確認など、手順を確認した。シミュレーションは各校で行われ、入試は3月3日に実施される。

デジタル採点の導入は、県立高や中学・中等教育学校で2020年、21年春に合わせて千件近い採点ミスが発生したことがきっかけ。第三者委員会が提言した「人手と機械を併せた効率的な採点の検討」を踏まえ、準備を進めてきた。専用ソフトの導入費は約787万円。

解答用紙の答案データは複合機で読み取り、教員らは別々のパソコンで採点を進める。ソフトによる選択式問題の答案の正誤判定にミスがないか確認するほか、記述式問題は画面上で答案と模範解答を照らし合わせた上で、採点者が正誤などを判定する。最後は1台のパソコンでこれらの採点結果をすり合わせ、違いがないか点検する。

20、21年春に採点ミスが多発した記述式問題は、翌22年春の入試で大幅に減少。一方で選択式が増加して波紋を呼んだ。デジタル採点で選択式などの採点効率化が期待できる今春は、記述式の充実を図り採点を入念に行う。

同校では6人の教員がそれぞれのパソコン画面を見ながら、解答をチェック。教務主任の教員がアドバイスした。採点結果のすり合わせで一致しないケースがあり、何を誤ったのか、しっかり確認を入れていた。

庄司校長は「受験生が安心して受験できる体制をつくる。手順を全員がきちんと把握して臨みたい」と意気込んだ。

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