◆2022年 6月◆

際立つ踊り手の存在感

今月は、季節の動植物や風景、祭りなど、バラエティーに富んだ作品が寄せられました。審査会には181点の作品が並びました。

最優秀賞は西口邦彦さんの「3年ぶり」です。タイトルの通り3年ぶりに開催された大子町の常陸国YOSAKOI祭り。この日を待ちわび、謳(おう)歌(か)するように、踊り手が体を大きく反らして声を張り上げた瞬間を捉えました。鳴子を握りしめた手の表情も印象的です。シャッターチャンスの秀逸さに加え、光の使い方、大旗を取り込んだ背景など、細部への気配りが主役の存在感を際立たせています。

優秀賞は丸森勝造さんの「蓮田の気象図」と夕田盛利さんの「3年越しの夢叶う」の2点。「蓮田の気象図」は、緑鮮やかなハス田に浮かぶ藻の流れを多重露出で表現し、天気図の等圧線に見立てました。花筏(いかだ)の撮影などで用いられる手法を応用した発想が見事です。

「3年越しの夢叶う」は、水郷潮来あやめまつりでの一こま。嫁入り舟を終え、人力車に乗る花嫁と花婿。ひざの上には赤ちゃんが乗っています。コロナ禍でまつりが延期された2年間に想像が及びます。一枚の中に物語を感じる写真です。(写真映像部)




「3年ぶり」 西口邦彦(石岡市)
ニコンD500 300ミリ f5.6 オート ISOオート=大子町




「蓮田の気象図」 丸森勝造(土浦市)
キヤノン 10~20ミリ f16 1/8秒ISO200(多重露出、PLフィルター)=土浦市


「3年越しの夢叶う」 夕田盛利(鹿嶋市)
キヤノン 18~200ミリ f7.11/400秒 ISOオート=潮来市




「大物ゲット」 平沢徳孝(常陸太田市)


「スポットライト」 大和田健(筑西市)


「もふもふ兄弟」 溝口一郎(行方市)


「朝光の輝き」 野沢昇(筑西市)


「疾走」 石嶋智雄(結城市)


「夕暮れの刻」 藤井美代志(かすみがうら市)


「よさこい大好き」 掛札真人(水戸市)


「輝く穂先」 上田俊一(小美玉市)


「初の出会い」 鴨志田力夫(常陸大宮市)


「幸せを運ぶ舟」 袴塚優人(水戸市)

2022年 6月