◆2022年 7月◆
大胆な構図で切り取る
今月は、初夏から盛夏へ移り変わる季節の風物、祭りやイベントでのスナップなど、149点の応募がありました。
最優秀賞は冨永幸男さんの「灼熱の炎の中を」です。燃え盛る炎に顔をゆがめる修験者を、大胆な構図で切り取りました。その表情から荒行の厳しさが伝わります。ややアンダー気味の露出で描写した炎の迫力と、後ろで見守る別の修験者のたたずまいも作品全体に良い効果を与えています。大勢の見物客やカメラマンがいる祭り会場で、背景を上手に整理し、この瞬間にシャッターを切った技術は見事です。
優秀賞には大和田健さんの「反薄明光線」と須田政雄さんの「湖上のスラックライン」が選ばれました。「反薄明光線」は、雲の切れ間から太陽の光が漏れ、太陽とは反対側の空に放射線状の光芒(こうぼう)が現れた珍しい気象現象。筑波山に後光が差しているような光景に気付き、的確な構図と露出で写真に収めました。
「湖上のスラックライン」は、日立市の十王ダムで開かれたスポーツ綱渡りのイベントがモチーフ。アングルと背景を工夫し、ラインと呼ばれるベルト状の綱の上でバランスを取る4人を、まるで水面を歩いているかのように写しているところに面白味があります。(写真映像部)
「灼熱の炎の中を」 冨永幸男(城里町)
ニコンD750 70~300ミリ f6.3 オート ISO1000=栃木県那須塩原市
「反薄明光線」 大和田健(筑西市)
キヤノン 16~35ミリ f16 1/2秒 ISO100=筑西市
「湖上のスラックライン」 須田政雄(日立市)
オリンパス 12~200ミリ f20 1/500秒 ISO2500=日立市
「光芒水田を差す」 村山進(高萩市)
「静寂の湖」 平沢徳孝(常陸太田市)
「つかの間の美」 小室賢一朗(水戸市)
「夜明け前」 野沢昇(筑西市)
「なかよし」 藤井美代志(かすみがうら市)
「夕暮の散策」 大原トモ(水戸市)
「凝視」 佐藤邦夫(東海村)
「暮らしを支える」 大島一郎(鹿嶋市)
「つよく大きくたくましく」 綿引勝春(大子町)
「初めての一歩」 佐々木敏勝(日立市)