◆2022年10月◆
技術継承、打ち込む若者
今月は、年に1度のテーマ設定月です。今年のテーマは「手仕事」。134点の力作が寄せられました。
最優秀賞は村山進さんの「伝統を継ぐ」です。畳職人の技術を継承しようと作業に打ち込む若者を写しました。ひと針に集中する手先が印象的です。魚眼レンズを選んだことで、重い畳を扱うたくましい腕が強調され、頼もしく見えます。広い画角の中に、道具や作業場の雰囲気も分かりやすく取り込まれていて、畳作りの仕事を紹介する報道写真としても優れています。
優秀賞には丸森勝造さんの「格闘中」と桜井孝さんの「熟練の技」が選ばれました。「格闘中」は、イベント会場でウナギをつかむ子ども。逃すまいと力を込めた一瞬の手の表情を、絶妙なシャッターチャンスで捉えました。ひとひねりした着眼点が見事です。
「熟練の技」は、暗がりで真剣に手を繰る男性と、それを見守る人。強い逆光で浮かび上がった輪郭から、作業の繊細さ、指先に込めたただならぬ気迫が伝わってきます。(写真映像部)
「伝統を継ぐ」 村山進(高萩市)
キヤノン 15ミリ f8 1/80秒 ISO2500=高萩市
「格闘中」 丸森勝造(土浦市)
オリンパス f2・8 1/640秒 ISO200=かすみがうら市
「熟練の技」 桜井孝(常総市)
キヤノン 70~200ミリ(2倍テレコン) f5・6 1/8秒 ISO2000=つくばみらい市
「見習い中」 小形佳昭(水戸市)
「祈り」 大和田健(筑西市)
「ピットマン」 溝口一郎(行方市)
「精魂込めて」 藤井美代志(かすみがうら市)
「チームワーク」 望月森雄(常陸大宮市)
「よせ刈り」 飯田正弘(常陸太田市)
「点てる」 西口邦彦(石岡市)
「地機で織る結城紬」 石嶋智雄(結城市)
「ひと針」 田上和喜(小美玉市)
「阿吽の呼吸」 田上勤(城里町)