取手市長選 52分で確定 キヤノン方式 最速開票:茨城新聞

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2019年4月24日(水)
取手市長選 52分で確定 キヤノン方式 最速開票
民間ノウハウ活用 




統一地方選で21日に行われた取手市長選の開票作業で、市は3万5千もの票をわずか52分でさばいた。同日投開票の県内首長選では最速で、開票作業の早さは全国的にもトップクラスとみられる。職員に動きやすい服装をさせたり、1人で複数の役割を担わせたり、徹底して効率化を図っているのが特徴。市内事業所の協力で編み出した手法は「キヤノン方式」と評され、迅速な開票を実現している。(取手龍ケ崎支局・鈴木剛史)

■中間発表なし

「えー、もう決まっちゃったの?」「早いもんだね。もう終わりか」

21日夜、取手市戸頭の新人陣営の選挙事務所。集まった支持者らに驚きと落胆が広がった。

市選管は午後7時に開票作業をスタートさせた。8時に中間発表し、以降は30分ごとの発表更新を予定していたが、実際には7時52分に票が確定した。同日行われた水戸市長選と五霞町長選で票が確定するまでの時間は、それぞれ2時間5分と1時間29分。取手市の早さが突出した。統一地方選で行われた全国の市区町村長選でも最速との見方がある。

取手市はかつて開票確定が深夜まで延びるのが普通だった。改善の契機は10年以上前。当時の市長が市内にあるキヤノンの事業所を視察した際、秒単位で作業を管理する生産現場に感銘を受けた。「開票に生かせないか」と考え、事業所の協力を得て市職員の研修や現場見学を開くなどしてノウハウを吸収させた。外部に「キヤノン方式」と評される仕組みだ。2006年に採用した。

■イチゴパック

開票手順は通常、(1)台に票を空け(開披)、立候補者別に分ける(2)交ざっていないか点検(3)機械で数え、一定の束にまとめる(計数)(4)再度確認(5)1回目の集計(6)選挙立会人らのチェックを経て2度目の集計-で進む。取手市選管もおおむねこれに沿っているが、無駄を極限まで省く点にキヤノン方式の特徴がある。

今回開票に臨んだ職員は約130人。4班に分ける。開披は全員で行い、その後はそれぞれの役割を担う。担当作業が終わった段階で別の作業に次々と移るため「1人三役ぐらいする」(市選管)仕組みだ。班ごとにリーダーがおり、全体を見て次の役割を指示する。票を運ぶ際は、落としたりバラバラになったりしないよう、イチゴパックを使う。「大きさがちょうどいいし、ばらつかない」(市選管)という。

卓球台を用いる開披台は角材で10センチ程度かさ上げして作業しやすくする。点検・計数台の間は狭め、受け取りをスムーズにする。漫然と作業しないよう、椅子はなくした。スリッパは禁止し、運動靴や作業服を身に着けさせるなど、ソフト面でも工夫。陣営が送り出す選挙立会人にもやり方を説明し、票の束を解かないよう求める。

■迅速かつ正確

時短の成果は顕著だ。06年の県議選は、時間を30分以上縮めて42分で開票を終わらせた。03年の市長選では2時間15分も要したものの、07年には47分で済んだ。立候補者が比較的少ない市長選や県議選で特に強みが発揮されるという。

今回の市長選は目標の1時間を切った。それでも市選管は「あと5分ぐらいは早くできたのでは」とみている。投票率が38・56%と過去最低に落ち込む課題も残した。

選管の書記長を兼ねる斉藤俊治総務部長は「迅速で正確な開票に取り組むとともに啓発も続けていく」と強調。キヤノン方式についても「他の選管の参考となるのであれば、普及の協力は惜しまない」との姿勢だ。




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