台風19号 県内高齢20施設 断水、停電:茨城新聞

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2019年10月17日(木)
台風19号 県内高齢20施設 断水、停電
大子「やすらぎ」 92人、2階に避難


【写真説明】
2階の多目的スペースで避難生活を送る介護老人保健施設の利用者=16日午後、大子町大子、吉田雅宏撮影



那珂川や久慈川などが氾濫した台風19号による被害で、県災害対策本部によると16日正午現在、大子町と常陸大宮市の計20の高齢者施設で断水や停電が続いている。給水車や小型発電機などで対応し、人的被害は出ていない。このうち最も被害の大きい大子町の介護老人保健施設は、1階が浸水して使えず、入所者92人が2階に避難して生活している。

■復旧に1週間以上
県によると、被害が続いているのは大子町の特別養護老人ホームなど5施設と、常陸大宮市の特養など15施設。いずれの施設も断水しており、給水車や給水タンクで対応している。

停電や断水が続く同町大子の老健施設「やすらぎ」は久慈川と支流の合流地点に近く、1階が約1メートルの高さまで水に漬かった。建物は1階に40床、2階に60床の居室を配置する造りで、12日昼すぎに1階の入所者を2階に避難させ、全員無事だった。

だが浸水により高圧受電設備やボイラーのモーターが故障。停電や断水で、トイレやお風呂も使えない状況が続く。停電復旧までには1週間以上要する見込みという。

職員総出の作業で16日までに泥水のかき出しや家具の洗浄などはほぼ終えたが、浸水した厨房(ちゅうぼう)の設備や500万円以上する介護入浴機器などは停電で作動確認もできず、被害の全容は把握できていない。

もともと1階にいた入所者は今、臨時措置として2階の多目的スペースにベッドを並べて過ごす。食事は主に非常食や菓子パンなどで対応。小型発電機から室内に電源ケーブルを引き入れ、夜は屋外用のランプで室内を照らす。

■早め避難が奏功
あらかじめ利用者を2階に移動させた「垂直避難」は、現場にいた益子豊子看護師長(61)が、施設長と相談して決断した。早めの行動を呼び掛ける報道に触れ、停電でエレベーターが使えなくなることを恐れた。

避難は12日午後2時に始め、1階にいた37人全員の移動が終わったのは1時間半後。浸水に気付いた後では間に合わなかった可能性がある。益子さんは「『取りあえず上げよう、大丈夫だったらそれでいいじゃないか』と思って決めた。結果的に良かった」と振り返る。

施設は12日深夜から13日にかけて浸水が継続。この間、停電でたんの吸引器が使えないため、看護師らが懐中電灯の明かりを頼りに注射器を代用して吸引処置を続けた。

被災後、体調不良を訴える人は出ていないが、医師でもある安達栄治郎施設長は「人口密度の高い状況で、インフルエンザなどの感染症が非常に心配。細心の注意を払いながら復旧を進めたい」と話す。(戸島大樹)

■台風19号、県内被害
死者 2人
行方不明者 1人
けが人 16人
半壊 1棟
建物一部損壊 22棟
床上浸水 1327棟
床下浸水 369棟
避難所の避難者 257人
(16日午後3時現在、県まとめ)

■市町村別の建物被害件数
▽半壊
行方1

▽一部損壊
利根11、八千代3、筑西、河内各2、潮来、小美玉、行方、美浦各1

▽床上浸水
常陸大宮468、常陸太田373、大子392、那珂20、筑西19、ひたちなか、神栖、茨城各11、結城、北茨城各6、境3、常総、鉾田、八千代各2、桜川1

▽床下浸水
常陸大宮87、大子66、筑西51、神栖49、北茨城24、常陸太田、茨城各16、境12、ひたちなか11、つくば9、桜川、鉾田各7、古河、結城、常総、那珂、坂東各2、日立、下妻、高萩、笠間各1
(16日午後3時現在、県まとめ。水戸市、大洗町、城里町など調査中)




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