地域協力隊の夫婦 廃屋再生 住民協力、住宅改修へ:茨城新聞

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2020年2月13日(木)
地域協力隊の夫婦 廃屋再生 住民協力、住宅改修へ
北茨城の石渡さんと妻 15日から都内活動発表個展 


【写真説明】
廃屋を改修した住宅の前で豊田澄子さん(中央)と語り合う石渡のりおさん(右)、ちふみさん夫妻=北茨城市関本町富士ケ丘



北茨城市地域おこし協力隊で芸術家の石渡のりおさん(45)と妻ちふみさん(43)が、同市関本町富士ケ丘で長年廃屋だった建物を改修し美しくよみがえらせた。半年にわたった作業には地域住民が次々と関わり、交流の場が生まれていった。

石渡さんは2017年4月に協力隊員に就任。共にアート創作に取り組んでいたちふみさんと同市に移り住んだ。絵画やオブジェなどを手掛ける一方、古民家の再生もアートの一つと捉え、「生活と芸術」と銘打って活動してきた。

これまでに「楊枝方」と呼ばれる集落にある築150年の古民家を改修、アトリエ兼ギャラリーとして生まれ変わらせた。さらに近くに約30年間打ち捨てられていた廃屋があり、昨年6月から改修作業を始めた。

約300坪の土地にあった廃屋は、建設会社の資材置き場として使われていた建物2棟。内部は草木に覆われ、取り残された資材でいっぱいだった。

周囲からは「何をやってるんだろうと思われてる期間が長かった」(石渡さん)が、片付けやペンキ塗り、重機を使った整地など徐々に手伝ってくれる人が増えていった。集落には1人暮らしの高齢者も多く、作業にやりがいを感じ元気になった人もいるという。

土地の所有者で近くに住む豊田澄子さん(79)も食事などを差し入れ、作業に集まった人たちをもてなすムードメーカーとして、協力の輪を広げた。

改修はまだ途上にあるが、地域住民が集まる場やギャラリースペースもでき、今後石渡さん夫妻が生活するため寝室などを整備していくという。豊田さんは「諦めずによくやった。きれいになったと私の子どもも喜んでくれた」と満面の笑みを見せる。

「大家族のようになった」という作業の輪の中で、石渡さんは「この地域では近所に住んでいる人は他人ではなく助け合って生きる仲間。日本人はもともとそうやって暮らしていたんだろう」と感じたという。


石渡さん夫妻は北茨城市での体験や創作活動を発表する場として個展「生活芸術『廃墟の結晶』展」を15日から3月1日まで、東京有楽町マルイ8階のイベントスペースで開く。絵画やオブジェなど約15点の展示やワークショップを行う。

石渡さんは「田舎でも生活できるし、すごく楽しいと伝えられたら」と話す。(小原瑛平)




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