常陸太田・松栄子供会 台風復興願い大わらじ:茨城新聞

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2020年2月19日(水)
常陸太田・松栄子供会 台風復興願い大わらじ
材料流失、住民が提供 鎌倉に奉納へ


【写真説明】
大人がわらの編み込みを行い、子どもたちははさみで表面のけば取りなどを行った=常陸太田市松栄町



昨年の台風19号で被災した常陸太田市松栄町で16日、鎌倉大仏で知られる神奈川県鎌倉市の寺院・高徳院に3年ごとに奉納する「大わらじ」作りの作業が行われた。松栄子供会の恒例行事で、材料のわらが洪水で全て流されてしまったものの、地域住民らの協力で製作にこぎ着けた。作業の参加者は「洪水被害からの復興」「平和が続くように」などの願いを込めながら1日かけて大わらじ1組を作り上げた。

戦後間もない1951年、旧郡戸村の産業祭に同子供会が大わらじを出品。産業祭後「大仏さまに日本中を行脚してもらい、万民を幸せにしていただきたい」という願いを込めて、高徳院に奉納したのが始まりという。以後、同子供会が3年に1度の奉納を継続している。

台風19号では同町内の6割を超える家屋が被害を受けた。大わらじの材料になるわらは休耕田にもち米を作って調達していたが、稲の乾燥中に全て洪水で流され、今回は地域の米農家から提供を受けた。

わらじ作りは常陸太田市松栄町の松栄営農センターで、1〜6年生の子供会会員16人に、松栄大わらじ保存会(島根利幸会長、会員約20人)や町会関係者らの大人たちが協力して午前8時から夕方までかかって仕上げた。

前日に水をかけておいたわらを子どもたちが小分けにしてそろえ、大人たちが縄をよったわらじの心棒に丁寧に編み込んでいった。3分の1ほど編み進むと、子どもたちがはさみでわらを切りそろえた。完成した大わらじは長さ約1.8メートル、幅約90センチ、重さは片方約45キロにもなった。

同子供会副会長の島根敬太君(12)は「わらを束にするのは難しかったけど、皆で作業するのは楽しかった。自宅も被災して1週間ほど前に戻ってきたばかりなので、災害が起きないようにと願った」と話した。

島根会長は「昔私たちもわらじ作りや奉納をした。昔話をし、子どもたちが健やかに育ち、平和な世界となるよう願いながら作った」と話した。(飯田勉)




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