茨城県内公示地価 工業地3年連続上昇 台風被災地の下落拡大:茨城新聞

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2020年3月19日(木)
茨城県内公示地価 工業地3年連続上昇 台風被災地の下落拡大




国土交通省は18日、今年1月1日時点の公示地価を発表した。茨城県内は住宅地と商業地が前年より下落し、下げ幅は住宅地が前年と同率、商業地が8年連続で縮小した。工業地は3年連続で上昇した。地価の上昇地点は前年より12地点増の計83地点、横ばいは5地点増の計159地点。昨年10月の台風19号で被災した大子町やひたちなか市などで下落幅が拡大するなど、地域により明暗が分かれた格好となった。

同省の発表によると、県内の用地別地価の平均は、住宅地がマイナス0.5%で前年と同じ、商業地がマイナス0.4%(前年はマイナス0.5%)、工業地はプラス0.9%(前年はプラス0.7%)だった。住宅地と商業地の下落は28年連続。全用途合計はマイナス0.4%で、前年より0.1ポイント上がった。

県内の調査箇所数は計687地点で前年と同じ。4地点が変更となった。

価格が上昇したのは、住宅地56地点(前年48地点)、商業地17地点(同14地点)、工業地10地点(同9地点)。市町村別では守谷市が11地点で最多となり、土浦市10地点、ひたちなか市9地点、古河市8地点、阿見町、鹿嶋市、牛久市、つくば市が各6地点で続いた。

横ばいは住宅地124地点(同121地点)、商業地32地点(同30地点)、工業地3地点(同3地点)。市町村別では水戸市が29地点で最も多く、次いで土浦市26地点、古河市20地点、ひたちなか市16地点だった。

県内で最も地価が高かったのは、住宅地が4年連続でつくば市竹園1丁目だった。商業地も同市竹園1丁目が2年連続トップとなり、つくばエクスプレス(TX)沿線が上位を占めた。工業地は圏央道沿いの五霞町元栗橋が4年連続1位。

地価上昇率の上位は、住宅地、商業地ともにTX沿線のつくば市やつくばみらい市、守谷市、神栖市、鹿嶋市などが入った。地価下落地点は住宅地、商業地ともに大子町がワーストだった。神栖市は2005年の合併で新市誕生後、初めて住宅地が上昇に転じた。

県水・土地計画課は、住環境や交通利便性に優れた地域で土地需要が高まり、長期間の地価下落で底値感が出ていると分析。一方で人口減少と高齢化が進む地域では土地需要が弱含みで推移し、県内で二極化が進んでいる。

地価公示の県代表幹事、外山茂樹不動産鑑定士は「15年の関東・東北豪雨と同様に、昨年10月の台風19号で被災した地域では下落幅が拡大した。特にハザードマップの浸水想定区域は敬遠される傾向にある」としている。(黒崎哲夫)

■ひたちなか・枝川 浸水の影響直撃

昨年10月の台風19号で浸水したひたちなか市枝川は住宅地の地価下落率が県内ワースト2位で、前年比3.7%も落ち込んだ。

那珂川沿いの同地区はJR水戸駅から北へ約2.5キロで水戸市に接している。台風19号の大雨で支流の早戸川が氾濫し家屋の浸水が起きた。市によると昨年12月24日現在で、同地区の被害は床上浸水124棟、床下浸水225棟の計349棟に上り、市内で最も被害が大きかった。

同地区は市街化調整区域で建物の建築に制限が掛かる。市内の不動産会社「ベニヤ商事」の横須賀忠行社長は「市街化調整区域は基本的に地価の変動幅は少ないのに下落率3.7%は大きい。台風19号の影響だろう」と分析した。

市は浸水対策として早戸川の堤防かさ上げや河川監視カメラ設置、ポンプ場の常設・かさ上げなどを国や県に要望している。

同地区の近藤清二自治会長(73)は「地価下落はやむを得ない。今のままだと、また今年も二の舞いになるのではないかと心配している。早戸川の氾濫を想定し、行政は早く対応してほしい」と話す。(斉藤明成)




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