自分貫く勇気伝える、LGBTQの成長記録 那珂のミニシアターで26日から上映:茨城新聞

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2020年9月21日(月)
自分貫く勇気伝える、LGBTQの成長記録 那珂のミニシアターで26日から上映
ひたちなか出身の常井美幸監督、自身初の長編映画


【写真説明】
映画「ぼくが性別『ゼロ』に戻るとき 空と木の実の9年間」を監督した常井美幸さん(左)と主演の小林空雅さん(常井さん提供)



ひたちなか市出身の映画監督、常井美幸さん(53)が監督した自身初の長編映画が、26日から那珂市瓜連のミニシアター「瓜連あまや座」で公開される。LGBTQ(性的少数者)のドキュメンタリー作品で、女性として生まれながら自分の性に違和感を持ち続けた若者の、9年間の変化と成長を描いている。常井さんは「主人公の生き方を通して、自分らしく生きる勇気が伝われば」と話す。

タイトルは「ぼくが性別『ゼロ』に戻るとき 空と木の実の9年間」。主人公は女性として生まれ、男性として生きたいと望むトランスジェンダーの小林空雅(たかまさ)さん(25)。自分を好きになれなかった小林さんが9年間の紆余(うよ)曲折を経て、本当の自分らしさを見つけるまでの過程を追っている。

上映時間は1時間24分。7月から都内ほかの映画館で順次公開されている。米国サンフランシスコ、韓国ソウルでも上映された。学生にも作品に触れてもらおうと、本編を40分に短くした作品も作った。

短縮版を岐阜県の高校や京都府、香川県の中学校で無料上映したところ、学生から「元気になれた」「差別はいけない」などの感想が寄せられた。常井さんは「茨城県の中高生にも見てもらいたい。よく分からないという人にも、性別について考えてもらう『きっかけ』になれば」と話す。

常井さんは1966年生まれ。県立水戸二高から国際基督教大(ICU)へ進み、卒業後は会社勤めを経て、英国ブリストル大の大学院に留学、映画製作を2年間学んだ。帰国後は映像制作の道へ進み、フリーランスとして12年間、NHKでディレクターを務めた。

NHK時代の2010年に、当時15歳だった小林さんと知り合った。小林さんの番組を企画し、撮影を始めたことが、今回の作品を手掛けるきっかけになった。

番組の企画は採用されなかったが、「自力で映画にしよう」と自主製作を決意。小林さんを撮り続ける一方、クラウドファンディング(CF)を活用するなどして多くの支援を受け、昨年7月に足かけ約9年で完成させた。

常井さんは現在、都内で夫と2人暮らし。今作の上映で各地を回っている。「今後は、映画の続編や食と農をテーマにした映像作品を手掛けたい」

「瓜連あまや座」での上映は10月2日まで。今月26、27の両日は常井さんが同館を訪れ、作品終了後にゲストトークをする予定。常井さんは「主人公の小林さんは、周りからの声などを恐れず、自分を貫いている。見てくれた人に、自分らしく幸せに生きる姿が伝われば」と期待している。上映の問い合わせは同館(電)029(212)7531

★LGBTQ

多様な性の在り方の総称。女性を好きになる女性のレズビアン(L)、男性を好きになる男性のゲイ(G)、両方の性を好きになるバイセクシュアル(B)、体の性別に違和感があり、別の性別で生きたいと望むトランスジェンダー(T)、性自認や性的指向を模索中のクエスチョニング(Q)の頭文字を取った。




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