日立6人殺害 死刑求刑 水戸地裁裁判員で初 検察側「冷酷かつ残虐」:茨城新聞

県内ニュース

県内スポーツ


2021年6月18日(金)
日立6人殺害 死刑求刑 水戸地裁裁判員で初 検察側「冷酷かつ残虐」


【写真説明】
日立6人殺害事件で殺人罪などに問われた小松博文被告の裁判員裁判論告求刑公判が開かれた廷内=17日、水戸地裁(代表撮影)



茨城県日立市田尻町の県営アパートで2017年10月、妻子6人を殺害し建物に火を付けたとして、殺人や非現住建造物等放火などの罪に問われた無職、小松博文被告(36)の裁判員裁判論告求刑公判が17日、水戸地裁(結城剛行裁判長)で開かれ、検察側は「冷酷かつ残虐極まりない犯行。あらかじめ凶器を準備しており計画的だった」などとして、死刑を求刑した。裁判員裁判が導入されて以降、同地裁で死刑が求刑されるのは初めてとなる。弁護側は、被告が事件当時に精神障害だったとして無罪を主張していた。

検察側は論告で、妻から離婚を切り出され、受け入れられなかったという身勝手な動機を指摘。無防備な就寝中を狙い、被害者6人の体の枢要部を相当強い力で刺したとして「強固な殺意に基づく、冷酷かつ残虐極まりない犯行」と非難した。6人の命を奪い、遺族の精神的被害も大きいことも挙げ、結果の重大性を強調した。また、被告に精神障害はなく、犯行を決意した過程や動機はいずれも合理的として、完全な責任能力があったとした。

弁護側は最終弁論で、被告に訴訟能力がないとして公訴棄却を主張。公訴棄却しない場合でも、事件当時はうつ病などの影響で心神喪失か心神耗弱状態だったとして、無罪または減刑を求めた。被告は勾留中の18年11月に心肺停止状態となり、後遺症で事件当時の記憶が欠落していることが同地裁に認められている。

論告の前に、殺害された小松被告の妻、恵さん=当時(33)=の父親が意見陳述した。「事件から『助けてやれなくてごめん』と毎日6人の写真に手を合わせている」と後悔を口にし、「恵や孫たちの幸せを奪った被告のことは絶対に許せない。一番厳しい刑罰を与えてほしい」と訴えた。小松被告は終始うつむいたままだった。

起訴状などによると、小松被告は17年10月6日午前4時40分ごろ、自宅和室で、妻の恵さんのほか、当時11〜3歳の子ども5人を包丁で刺した後、玄関付近にガソリンをまいて放火し、殺害したとされる。

求刑通りの判決が下された場合、裁判員制度が導入されてから同地裁で初の死刑判決となる。判決は30日に言い渡される予定。

■小松被告、表情変えず 時折目つむる
17日午前10時半ごろ、小松博文被告は先月開かれた初公判の時と同じく、青色のワイシャツに灰色のスラックス、黒色のスリッパ姿で水戸地裁210号法廷に入廷した。白いマスクに茶色の縁の眼鏡を着用し、初公判時と変わった様子はなく、終始無表情だった。

被告の妻で被害者の恵さんの父親が「残りの人生全てをかけても許さない」と訴えた際も、検察官が論告で「被告人を死刑に処するのが相当と考える」と2回繰り返した際も、時折目をつむる程度で特に表情は変えず、目立った反応はなかった。

閉廷前の最終意見陳述で、裁判長から「最後に言っておきたいことは」と問われると、「いや、特にないです」としゃがれ声で答えた。犯行時の記憶が戻ったり、自らの犯行を理解しようとしたりする様子は、最後まで見受けられなかった。




サイト内検索
(c)2010 IBARAKI SHIMBUN