【エンタメ総合】
舞台『物理学者たち』が開幕 草刈民代、温水洋一ら出演
女優の草刈民代らが出演するワタナベエンターテインメントDiverse Theater『物理学者たち』のゲネプロ・プレビュー公演が19日、東京・本多劇場で行われた。
【写真】キャスト陣が集結!ゲネプロの模様
スイスを代表する作家フリードリヒ・デュレンマットの戯曲「物理学者たち」を、ノゾエ征爾の演出で舞台化。物語は、サナトリウム「桜の園」で起きた殺人事件をリヒャルド・フォス警部(坪倉由幸)が捜査しているシーンからはじまり、緊張感のあるやり取りの中に織り込まれたクスっと笑える演技や、婦長マルタ・ボル(吉本菜穂子)の違和感など、開幕早々に不協和音が感じられ、早くも会話劇の面白さを堪能できる。
ニュートン、アインシュタイン、そしてメービウスを名乗る「物理学者」3人(温水洋一、中山祐一朗、入江雅人)や、メービウスを愛する看護師(瀬戸さおり)、メービウスの元妻リーナ(川上友里)とその家族など、ちょっとおかしなひとたちが入れ替わり立ち代わりに登場。
中でもこのサナトリウムを経営する院長マティルデ・フォン・ツァーントを演じる草刈は、バレエで培った凛とした立ち姿や身のこなしは封印し、「背中の曲がった老嬢」を怪演。度重なる殺人事件の真相に近づく第2幕、タイトルロールである「物理学者たち」3人が、科学者としての責務や思想を巡り、白熱した議論を繰り広げる。それぞれが答えを見つけたかと思った矢先、急転直下の展開が…。
同舞台は、きょう19日~26日まで同所で上演。
■草刈民代
私達は行き過ぎた資本主義によって生じる弊害に振り回されています。そして、このコロナ禍によって、自分たちが本来どのようにあるべきかを考えざるを得ない局面を迎えています。作者のフリードリッヒ・デュレンマットはすでに60年前にそのことについて熟考していた人だということがよくわかってきました。
この作品は喜劇と作者自身が定義をしています。登場人物はヘンな人ばかり。しかし、一番ヘンなのは…? 強烈な批判が込められているこの作品を、ノゾエ征爾さんは彼の世界観でエンタテイメント作品にしました。ぜひぜひ多くの方に観ていただきたいです!