
【音楽】
杉山清貴&オメガトライブ、3月に亡くなったドラマーを追悼 「お〜い、ヒロイシ!」

「杉山清貴&オメガトライブ」が19日、東京・日比谷野外大音楽堂でライブ『お〜い、ヒロイシ!』を行い、オリジナルメンバーであるドラマーの廣石恵一さんを追悼した。
【写真】廣石恵一さんの似顔絵も 杉山清貴&オメガトライブが追悼ライブ
廣石さんは、今年3月16日に脳出血のため死去。64歳だった。前身バンドである“きゅうてぃぱんちょす”時代からドラムを担当し、杉山清貴のボーカルと爽やかなオメガトライブのサウンドを支える重要なリズム隊として存在感を示した。1985年のバンド解散後はクレイジーケンバンドのメンバーとして活動し、2018年に杉山清貴&オメガトライブが再結成された際には、廣石さんも名を連ねた。
この日は杉山のソロコンサートを行う予定だったが、突然の訃報を受け、バンドでのライブに変更し、真夏の東京で、ファンと一緒に最高の祭りとして追悼公演を実施。
開演時間となり、満員のファンが待つ中、杉山(ボーカル)、高島信二(ギター)、吉田健二(ギター)、西原俊次(キーボード)、大島孝夫(ベース)、大阪哲也(キーボード)、Juny-a(パーカッション)、小川幸夫(ドラム)がステージに登場。オープニング曲は「BECAUSE」、続けて1983年4月にリリースしたデビューシングル「SUMMER SUSPICION」を演奏し、会場をオメガトライブの色に一気に染めた。
2曲歌い終わった後、杉山がバンドメンバーを紹介し、「そしてもう1人、ドラマー廣石恵一!」と廣石さんも紹介。「いやいやいやいや、本当に人生っていうのは何が起こるか分からないね。去年のオメガトライブのツアー、普通に廣石が(ドラムを)やるもんだと思っていたけど、『え?』っていう状態になり、その分、GAAA(小川)がすごく頑張ってくれました。1年経ったらツインドラムでもやろうかと話してたんですけど、それも実現ならず…。でもきょうは、廣石がいると思って。多分、その辺をうろうろしてると思いますので(笑)」と廣石さんへの思いを伝えつつ、会場を和ませた。そして、ファンも一緒に「お〜い、ヒロイシ!」と大きな声でタイトルコールをして一体感を作り上げて、次の曲「TRUE WIND」へ。
その後、「君のハートはマリンブルー」や「ガラスのPALM TREE」などを披露した他、「SATA」「CRAZY」「サーモンUSA」といった「きゅうてぃぱんちょす」の楽曲も3曲連続で演奏。各曲、椎野恭一、もんち、吉浦芳一がゲストドラマーとして参加した。ちなみに、ゲストドラマーのドラムセットのバスドラのヘッドに廣石さんの似顔絵があったが、それは杉山清貴が書いたものだという。
後半も、1986年5月発売の杉山のソロデビュー曲「さよならのオーシャン」、6thシングル「サイレンスがいっぱい」、2ndシングル「ASPHALT LADY」などを聴かせ、「ROUTE 134」で本編を締めくくった。
アンコールの声に応え、再びメンバーがステージに登場し、代表曲のひとつ「ふたりの夏物語 NEVER ENDING SUMMER」を演奏。この曲の作詞・編曲を担当した林哲司がゲストとして登場し、バックボーカル&ギターとして参加し、大いに盛り上げた。そして「海風通信」で追悼ライブ「お〜い、ヒロイシ!」の幕が下ろされた。
この公演は即完となり、チケットを手にできなかったという声も多く聞こえていたが、その声に応えて『続・お〜い、ヒロイシ!!〜野音ツアー全国行脚編〜』と銘打った追悼全国ツアーが発表された。9月12日(金)・13日(土)の神奈川・KT Zepp Yokohamaに始まり、福岡、名古屋、大阪、札幌、仙台、広島、新潟、東京の9都市10会場21公演を予定する。