幅広い料理に使える国産サバ缶詰を開発

「幅広い料理に使え、塩分を控える人にも食べてもらえる缶詰を作りたい」。マルハニチロが2023年3月に発売した「さば水煮 食塩不使用」が好評だ。国産サバと真水のみを原料とし、素材の良さを引き出した。開発したマルハニチロの高間智大(たかま・ともひろ)さんに話を聞いた。(共同通信=増井杏菜記者)
希望小売価格は190グラム入りで346円。2024年度の販売数量は前年度比で6割増だった。現在も好調に推移しているという。
同社の調査で、サバ缶を使ったことがない人のうち1割が「食塩不使用であれば使いたい」と回答したことが開発のきっかけ。従来品には塩味やみそ、しょうゆ味がある。「みそ汁やカレーなどを作る時、味付け商品だとしょっぱくなります」
食塩は青魚の臭みの軽減や魚肉のタンパク質が溶け出して豆腐状に凝固するのを防ぐ効果があると言われている。「鮮度と脂のりがよいサバに厳選。工程時間を短くすることで、食塩不使用でも臭みとタンパク質が出にくくしました」
原料は冷凍のほか、水揚げ場所によって異なるが、旬の秋から冬には生サバを使うこともある。
顧客から「汁ごと鍋に入れてもしょっぱくない」「子どものハンバーグの材料にできる」という声が上がる。
1缶で27グラムのタンパク質といった栄養素を含む。「栄養素は汁にもあります。骨まで丸ごと食べてほしいです」。北海道出身、43歳(価格と年齢は7月時点)。
(共同)